台湾の国宝《甘露水》が東京・上野でお披露目。36歳で夭逝した台湾人彫刻家・黄土水による作品
国立台湾美術館と東京藝術大学が共同企画した「黄土水とその時代―台湾初の西洋彫刻家と20世紀初頭の東京美術学校」展で展示中。
台湾人として初めて東京美術学校(現 東京藝術大学)に留学した彫刻家・黄土水(ファン・ツースイ)。2023年に台湾の国宝に指定された黄土水の代表作《甘露水》が東京藝術大学大学美術館で開催中の展覧会「黄土水とその時代―台湾初の西洋彫刻家と20世紀初頭の東京美術学校」で展示中だ。 台湾の国宝《甘露水》 国立台湾美術館と東京藝術大学が共同で企画した本展覧会には、高村光雲や陳澄波(チェン・チェンポー)など台湾と日本の同時代のアーティストによる絵画、彫刻、資料、文献など58点が紹介されている。 黄は1915年から1922年まで東京美術学校で高村光雲の教えを受けた後、1923年に東京にアトリエを構え、1930年に36歳で夭逝するまで制作活動を続けた。《甘露水》は西洋の彫刻技法を使って、気高く力強いアジア女性の体形と表情を再現しており、明治維新の文明開化で文化的価値観が揺れる時代を表している。 展覧会は10月20日(日)まで開催されている。