マレーシアの8歳による著書が大反響。旅しながら学ぶ彼女は世界に何を問うか?
大人をうならせるテーマも、ユニークに語ってくれる
「夢」 「海の危機」などのテーマでは自分や社会の未来に強い意思を示し、さらには、「中毒」、「鬱」、そして「意思決定」、「完璧とは?」など、ちょっとうなってしまうようなテーマにも取り組み、ユニークに語ってくれます。 「毎日やることの謎」の章でカレンは、 「ベッドメイキングを例にとります。毎日、注意深く枕を整え、毛布をたたまねばなりません。でも考えてみてよ。結局、またくちゃくちゃにしてしまう。これって意味あるのかしら?」「ベッドメイキングでなく、本当に楽しいことをするために早起きしたらどうなの?」「正直言って、やらなくていいことが他にもたくさんある」 と、やるのが当たり前のことに疑問を投げかけます。筆者は6歳の子どもの親ですが、頭ごなしに言うのでなく、こんなカレンの言葉をどう思う?と話し合いながら子育てをしたいものです。 18のストーリー(8歳以前のエピソード)も、「外から持ち帰った宝物(大人にはゴミでしかない)」や「木登りで降りられなくなった体験」など、カレンの言葉でライブのように語られています。 ■「”子どもの心を決して忘れない”と自分自身に約束している」 カレンのお母様は、「鬱で苦闘している人々と会い、世の中はもっとできることがあるとカレンは考えました。カレンは、これまでの人生でのそれぞれの段階で恐れを経験し、恐れとの付き合い方を見つけ、大人でさえも恐れるのだと気がつきました。中毒は人生をいかに蝕むことか、でも人々はこのことを話さないと分かったのです」と、鬱、恐れ、中毒について書いた理由を教えてくれました。 本書からは著者が、ワールドスクーラーとして様々な人と触れ合い、成長していることが感じられます。 本やプログラミングが好きなカレンは、ブロガーとして発信し、「正義のバニー」と名乗って環境問題に声を上げ、(恐さを乗り越えた証に)自作テディベアの事業を始めるなど、のびのびしたアクティブさが印象的です。 今回、カレンが特別にコメントを寄せてくれました。 カレンからForbes JAPAN読者のみなさんへ 振り返ると、たくさんの当たり前の日々のことについて驚きを見出していました。今は、なぜ大人が子どもが驚くようなことについて、やり過ごすのか分かりました。でも、今でも、小さなことにも驚きを見つけ、”子どもの心を決して忘れない”と自分自身に約束しています。 ちなみに筆者のかつての研究で、歳をとるほど起業家度が下がることが分かりました。それ以来、子どものハートを持ち続ける、をモットーとしており、カレンへの共感を覚えます。 日本語版があれば、きっと日本の読者に新鮮かつプラスの影響を与えることでしょう。ご興味のある出版社は、どうぞお教えください。
本荘 修二