法政大学アイスホッケー部、「四冠達成」を成し遂げ、名門復活目指す
~食べ盛り年代だけに食事の準備とコストに頭を悩ませる
チーム四冠達成への思い、そしてイチ選手としての向上心は表現できないほど強い。しかしIH界を取り巻く環境は必ずしも満たされておらず、苦労は尽きないとも語る。 「食事面が1番大変」と口を揃える。寮母さんが食事の面倒を見てくれる大学もあるが法政大には存在しない。週1度、食材の買い出しを行い学生が自炊する。食材がなくなった後は各自が自腹を切って必要なものを購入するという。 「食べ盛りなので食材はすぐになくなります。結構な食費が必要なのでバイトをしている学生も少なくない。僕の場合は親が、『バイトするくらいなら練習しろ』と言ってくれます。また実家が近いので食事に帰る時もあります。ありがたいです」(床) 「僕は高校から親元を離れての下宿で土日は自炊していたので、慣れてはいます。でも他の学生は大変なはず。寮母さんがいる他大学が羨ましく感じることもあります」(齊藤) 東京・東村山市にあるIH部寮は大学(東京・市ヶ谷他)までは多少の距離はある。しかしダイドードリンコアイスアリーナ(東伏見)や東大和スケートセンターまでは程よい距離で、競技に専念するには悪くないという。食事面の心配をクリアできれば環境もかなり変わるはずだ。
~アイスホッケーはお金がかかる競技
学生が負担する寮費や遠征費は決して安くない。そして最も大きな負担となるのがギア(=用具)だ。スティック1本が5万円、スケート靴が1足10万円以上かかり、その他にも防具など多くのものが必要となる。 「IHはお金がかかるし、ただでさえ物価が高くなっている。僕は焼き鳥屋さんで定期的にバイトをしています。正直、バイトで疲れて帰ってきて朝からの練習だときつい時もあります。でもバイトをしないと生活も含め厳しいですから」(山村) 「パチンコ屋さんでバイトする時もあります。時間の融通が効き時給も良いので負担を最小限にできます」(齊藤)など、将来のプロ入りを目指す大学トップレベルでも現実に追われている。