日本でも初確認された「変異株」 現時点で分かっていることは?
●ワクチンの効果への影響は?
急ピッチで開発されているワクチンへの影響はどうでしょうか。菅首相は25日の会見で「ウイルスは絶えず変異を起こしていくもので、必ずしもワクチンの効果がなくなるわけではないと承知している。英国やWHOも現時点で今回の変異がワクチンの有効性に影響を与えるとのエビデンスは得られてないと述べている。いずれにせよ審査部門で変異株の情報も含めて、さまざまな情報を収集しながら有効性・安全性を確認して対応していきたい」と述べました。
●日本はどう対応するべきか?
首相会見に同席した政府コロナ分科会の尾身茂会長(地域医療機能推進機構理事長)は「仮に今、この変異株が日本に来て流行に関与すると、今でも医療体制がひっ迫、もう機能不全に近い状態に近づきつつある。これは極めて危機的な状況が起こると思う」と危機感を示しました。 感染性が強いとされるこの変異株にどう対応していくべきなのでしょうか。尾身氏の説明によると、日本では現在、感染研を中心に水際で検体を採取して迅速に遺伝子解析を進めています。 水際でのゲノム解析は「かなり早くできる。おそらく1週間かからない」として、「今の英国以外の国についての遺伝子分析も含め、どうするべきか、1週間も2週間もたたないうちに明確な提言が来ると期待している」と見通しを語りました。
◇ 首相会見が終わった後の25日夜、厚生労働省は英国から羽田空港、関西国際空港に到着した乗客計5人について、変異株の感染が確認されたと発表しました。10歳未満から60代までの男女で、60代男性は倦怠感があるものの、ほか4人は無症状だということです。