「知らなかった⋯」「なるほど、そういうことだったのか!」アインシュタイン「相対性理論」は、いったいなぜ凄いのか?今こそ知っておきたい“超基本”
たとえば、地球が太陽のまわりを回る場合、両者の理論ではどう説明されるのか比べてみましょう。 ニュートンの万有引力の法則では、「地球が太陽のまわりを回るのは、太陽の強い重力によって地球が太陽方向に引き寄せられるからだ」と説明されます。 一方、アインシュタインの相対性理論では、「太陽のまわりの時空がゆがんでいて、地球はゆがんだ時空にそって進んでいるだけ。地球はまっすぐ進んでいるつもりでも、空間自体がゆがんでいるので曲がってしまう」と説明されるのです。
「地球が太陽を回る」という同じ出来事でも、説明の仕方がまったく違います。アインシュタインは「重力の正体は、時空のゆがみである」ということを発見したのです。 奇妙な話に聞こえますが、相対性理論の正しさは観測や実験から実証されています。万有引力の法則だけでは説明しきれなかった惑星(水星)の微妙な動きが、相対性理論でピッタリ説明できたのです。 では、ニュートンの万有引力が完全に間違っていたのかというと、そういうわけではありません。重力が弱い場合や、物体の動きが光の速度に比べて遅い場合には、「万有引力の法則」は十分に通用します。どんな理論にも適用できる限界があるのです。
「相対性理論の正しさは実証されている」と言いましたが、「時間や空間がゆがんでいる」ということを、いったいどうやって確認するのでしょうか? まず「空間のゆがみ」は、天体観測から実証されています。星の光が太陽のそばを通るときに、太陽がゆがませている空間にそって光の進路がグイッと曲げられていることが確認されています。 ■ただ「情熱的に好奇心が旺盛なだけ」 続いて、「時間のゆがみ」は、なんと、東京スカイツリーでも実証されています。
相対性理論によれば、重力の弱いところでは時間の流れかたが速くなります。高さ450メートルにあるスカイツリーの展望台では、地上よりもわずかに重力が弱いため、時間がほんの少し速く進みます。理論から予想される「1日で10億分の4秒」という時間のズレが、日本の優れた技術によって検出されています。 空間も、時間も、本当にゆがんでいたとは……!! 私たちがふだん使っているGPSでは、「衛星が動いて時間が遅れる効果」と「重力が弱くて時間が進む効果」が合わさって時計がずれています。相対性理論から計算されるズレを補正しているからこそ、位置が正しく測定できています。