「知らなかった⋯」「なるほど、そういうことだったのか!」アインシュタイン「相対性理論」は、いったいなぜ凄いのか?今こそ知っておきたい“超基本”
「E=mc^2」は「どんな物体でも、存在しているだけでエネルギーをもっている」ことを意味しています。どんな人も、そこにいるだけでエネルギーに満ちた存在と言えるわけです。 たとえば、体重(質量)50kgの人は、450京ジュールというエネルギーをもちます。これは、マグニチュード9の地震2回分、雷だとざっと45億発分に相当するエネルギーです。 潜在的には、それほどのエネルギーが含まれているのですが、物質を好き勝手にエネルギーに変換できるわけではありません。
特殊な場所でのみ、物質の一部を効率よくエネルギーに変換することができます。それが、太陽をはじめとする恒星です。恒星の中心部では、元素と元素を融合して新しい元素をつくる「核融合反応」という反応が起きています。 新しい元素がつくられるとき、わずかに質量が減ります。このなくなった質量に相当するエネルギーが、恒星の光と熱になっているのです。 太陽や夜空の星のエネルギー源は、「E=mc^2」だったのです。
さらにアインシュタインは、「重力の秘密」も暴きました。相対性理論によると、物体があるとまわりの空間と時間がゆがみます。 じつは、あなたもしっかりと周囲の時空をゆがませているんです。といっても、日常的な物体がまわりの空間と時間に与える影響はごくわずか。物体が重たい(質量が大きい)ほど、空間と時間のゆがみは大きくなります。 その極端なケースが「ブラックホール」です。『「ブラックホール」で“時が止まる”は本当なのか?』でお話ししたように、ブラックホールでは、空間と時間が強烈にゆがむことで、摩訶不思議な出来事が起きていました。
■ニュートンvs.アインシュタイン 相対性理論が出てくるまでは、「すべての物体にはお互いに引き寄せ合う重力(引力)が働く」と考えられていました。力の強さは物質の量(質量)に比例します。これをニュートンの「万有引力の法則」といいます。 しかし、アインシュタインの相対性理論によれば、「物体があるとまわりの時空はゆがみ、ゆがんだ時空に物体があると動く」ということが起きています。 そう言われても、いまいちピンときませんよね。