戦前車メインのイベント「ヴィンテージ・リヴァイバル」レポート第3弾|お待ちかねの4輪車を紹介!
パリ近郊に位置する、今年で100周年を迎えるサーキット、Autodrome de Linas-Montlhéry(以下モンレリ・サーキット)で開催された、戦前の車両がメインのイベント「Vintage Revival 2024」。今回はお待ちかねの4輪車の紹介だ。まず最初に目に留まるのは、やはり多くのブガッティだ。最初は「お!やはりブガッティが来ている」と目を奪われるが、しばらくするとその数に驚かなくなるほど。 オーナーズクラブのブースでは、フランス車のAmilcar(アミルカー)が多く見られる。1921年に誕生し、軽量な小型スポーツカーを中心に製造され、当時のレースにも多数参戦していたブランドだ。しかし、世界恐慌の影響で斜陽となり、フィアットと提携するも再起を果たせず、1939年に幕を閉じた。それでもシンプルな構造で整備性が良いため、戦前の魅力的なスポーツカーとしてフランスを中心に人気が高い。 【画像】ブガッティやアミルカー、MGなど魅力的な戦前車が勢ぞろい(写真32点) コース上に目を移すと、やはり半数はブガッティだ。Type-35はもちろん、13、22、37などが走っている。英国車ではMGのType Cが複数混じって走行している。優美な曲線を描くプジョー402 DARL'MATやアウディから持ち込まれたWanderer(ワンダラー) W22が華を添えている。 サーキット走行で最も熱いのはグランプリカーの走行。同日に行われていたモナコ・ヒストリック・グランプリにも匹敵する顔ぶれだ。ブガッティT59-50S GPやマセラティ6CM、8CM、アルファロメオ1750 GSスポーツ、そしてアウディからのワンダラーストリームラインが疾走する。 会場を盛り上げたもうひとつのカテゴリーは、当時記録を打ち立てた、あるいは挑戦した車両たち。特に、排気量28.5リッターのモンスターフィアットS76の爆音は場内を沸かせた。ちなみに、このフィアットS76は、自走してフェリーに積まれイギリスに渡り帰って行った。 また、モンレリ・サーキットで記録を出したルノーのネルヴァスポール レコード、Renault 40CV レコードの2台、そしてシトロエンのプチ・ロザリーも混じってこのモンレリ・サーキットを走った。100年近く前の情景がそこに再現されたのは、車の歴史を作ってきたフランスならではの光景だろう。 写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI
櫻井 朋成