関西には賃貸の「更新料」がないって本当ですか!? 東京で2年ごとに「15万円」払っているのですが、正直“うらやましい”と感じます。更新料なしってどれだけお得なんでしょうか?
賃貸に住んでいると2年ごとに支払うことが多い更新料ですが、実は関西では更新料が存在しない地域がほとんどです。更新料がない物件と比べて更新料がある物件は損しているのではないかと思う人も多いでしょう。 本記事では、更新料のない地域の実態と更新料がない理由、また更新料がある物件は損をしているのかについて解説します。 ▼アパートの1階と2階で「家賃」はどれだけ変わる? 1階暮らしのメリット・デメリットも紹介
関西には更新料の風習がない
関東では一般的な賃貸の更新料ですが、京都を除く関西圏では更新料を支払う風習がありません。そもそも、更新料の徴収は法律で義務付けられておらず、オーナーの判断に委ねられているため、更新料が発生しない物件や地域が存在します。 国土交通省の住宅市場動向調査報告書によると、更新料がある世帯は45.8%(令和4年度)で、更新料のない物件に住んでいる人も多く、関西以外にも九州や沖縄、北海道などでも更新料なしや低く設定されている物件が多い傾向です。 更新料の風習がない地域では、更新料の特約を付加することで入居希望者が減り、周りの物件よりも入居率が落ちてしまうため、市場競争の末に更新料なしの文化が浸透していったと考えられます。 ただし、更新料がない物件では敷金や礼金など他の費用が相場よりも高めに設定されていることもあるため注意してください。
更新料のある物件とない物件の比較
更新料がある物件では「家賃1ヶ月分」が相場とされていますが、家賃1ヶ月分未満の物件もあれば家賃2~3ヶ月分を超える物件もあり、設定されている更新料は物件によって大きく異なります。 更新料のある物件とない物件では住居費にどのくらい差が生じるのか、試しに「更新料なしの関西」と「更新料15万円(2年ごと)の関東」、同じ家賃の部屋に12年住んだケースで比較してみましょう。 関西は更新料がないため「0円」、関東は12年のうち2年ごとに更新料15万円のため、12年で「15万円×5回=75万円」の差が生まれます。しかし、更新料には毎月の家賃負担を減らす役割もあり、更新料が発生する代わりに家賃が低く設定されていることがあります。 例えば、更新料が15万円でも家賃が相場よりも7000円ほど安い物件なら、「7000円×24ヶ月=16万8000円」と、更新料を支払ってもトータルでみれば住居費の負担は抑えられるでしょう。 賃貸を借りる際は、更新料だけでなく家賃相場や敷金・礼金など他の費用も加味して住居費の負担が抑えられる物件を選ぶことが大切です。