都会と地方ではどっちが裕福に暮らせる?生活コストから考える年収のリアル
一般的に都会は年収と物価のどちらも高いイメージがあるかもしれません。とはいえ、実際に都会と地方ではどの程度年収や支出額に差があるのか分からない人もいるでしょう。 そこで今回は、総務省統計局の実施している家計調査を基に、東京23区と静岡市で生活コストを比較してみます。静岡市は家計調査で具体的な数字が発表されている政令指定都市の中でも、最も人口の少ない都市となっています。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
都会と地方の収入の違い
都会と地方の収入の違いを確認してみましょう。まずは東京都と静岡県の都道府県単位で、収入にどのくらいの差があるのかを比較し、それをふまえて東京都23区と静岡市を比較します。 ■東京都と静岡県の賃金の差 厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査を基に、都道府県別の賃金(税金など控除前の額)を確認すると、東京都は36万8500円である一方で、静岡県は30万5300円となっています。ここでいう賃金とは、基本給に各種手当を加えた額で、超過労働給与額は含まれていません。 ボーナスがないと仮定して年収に換算すると、東京都は442万2000円、静岡県は366万3600円となり、その差額は75万8400円です。 ■東京23区と静岡市の収入の差 次に東京23区と静岡市を比較します。総務省統計局の発表している「2023年家計調査家計収支編」の、勤労者世帯(世帯主が会社や観光庁などに勤務している世帯)の実収入(税込み収入)を確認すると、東京23区の実収入は61万5407円、静岡市は50万1117円となっています。 このうち世帯主の収入は東京23区が48万4487円、静岡市が41万2131円です。どちらも、都道府県単位の賃金よりも多い額であることが分かります。 では、世帯収入から手取り額がいくらくらいになるのか計算してみましょう。通常手取り額は、収入の75%~85%といわれているため、ここでは80%で計算します。総務省統計局「2023年家計調査家計収支編」を基に、手取り額を計算したものが表1です。 表1