大神いずみ「次男の野球の秋の大会が始まった。二言以上の言葉は息子の耳に入らないこと気づいた母の対策は〈食〉」
◆スープ弁当、おすすめです このところ週末だけでなく平日も21時ごろまで練習があることが多く、学校から帰って改めて出かける前と帰宅後に食事をすることが多くなった。 練習から帰った後は食べてすぐ、驚くほどの早技で布団に入ってしまうので、消化しやすくて栄養がいっぱい入れられる具だくさんスープが、相変わらず我が家の定番だ。 離乳期の時から作っている和風ミネストローネ(別名:えいちゃんスープ)、豚汁、クラムチャウダー、けんちん汁、キムチチゲ、ユッケジャンスープ…。 うちは4人家族(いま確かに寮生活をしている長男は、練習と授業の合間に頻繁に家に帰って来る)だが、一度に作るスープは15杯分くらい。 最近朝出発が早い時の自分のお弁当は、この作り置きスープに洋風ならマカロニ、和や中華、韓国風スープには小麦粉の団子などを入れてすいとん風にし、スープジャーに一緒に入れて持っていくことが多い。最近は「すいとん粉」なるものがあって便利なのだ。 もはや自分の分のおにぎりを作る時間も惜しむようになってしまったのだが、温めて入れていくだけでお昼にはちょうどいいランチになってくれるスープ弁当、これから寒い季節にお母様方におすすめです。 ある朝私が起きた時、その日仕事で息子の野球に行けない夫が、前夜に作っておいたすいとんと豚汁を、ご親切に全てスープジャーに詰めてくれていた。 息子のおにぎりもちょっと大きめ、具をいくつか変えてフワッフワッの3度握りだ。 もうそれだけでも、その大事な試合を見に行けない夫の思いは、水筒や補食、私のお弁当の準備に至るまで隅々に込められているというものだ。 ホントは絶対に野球に行きたかったはずの一家の大黒柱。 私なんかよりうんと重~い期待が込められているおにぎりである。だが息子、それを食べるタイミングがなかったと言ってたまに1つくらい残して帰ってくるのだから…恐ろしい。
◆反抗期真っ只中の息子なりのお返し 私が野球のお弁当を作る時も、朝まだ顔を作る前の寝起き姿で、息子の弁当に「気」を送りながら肉を焼いたりチャーハンの鍋を振っている。 「打って…」「勝って…」「負けないで…」「怪我だけはやめて…」 もうほとんど呪いである。 そんな思いをぎゅうぎゅう詰めこんだお弁当に、あったかいスープとスポーツゼリーやバナナなどを添えて、今日も息子を野球に送り出している。 我が家の味と大増量に込めた私の思いに対して、反抗期真っ只中の息子、素直に感謝の言葉が返ってくるとは到底思えない。 でもその試合、息子がドロドロになってグラウンドを駆け回って、たった1本でも会心の当たりを見せてくれたり、クタクタながらもいい顔でその1日を終えていくのを見た時、私としてはなんだかすっかり報われたような気がしてしまうのだ。 きっと息子なりに空っぽの弁当箱、何にも載ってなかったような完食後のピカピカのお皿、米一粒も残さないでっかい飯碗を返すことで、親の思いにほんの少し応えているつもりなのかもしれないな。 「わかってるって」と、少しぶっきらぼうな口調で。
大神いずみ
【関連記事】
- 大神いずみ「夫・元木大介が巨人軍のコーチ業を終え、5年ぶりに家にいる。久々の家族団らんに、スープの味も違って感じる」【2023編集部セレクション】
- 大谷翔平 祝・本塁打王!「良くても悪くても、どんどん変えていく…両親が語る〈反抗期もなかった〉少年時代」【スポーツ記事 編集部ベストセレクション】
- とよた真帆「夫・青山真治との早すぎる別れ。漠然とした予感はあったが、相手を変えることはできなかった」【2023編集部セレクション】
- 大神いずみ「最近、打席に立つ長男の顔が夫・元木大介と一緒に…。背番号をもらえずに引退するが、甲子園を目指し、最後まで仲間のサポートに徹する」【2023年間BEST10】
- 大神いずみ「高校野球を引退したはずの長男が、国体のメンバーに。履正社に入って最初で最後のユニフォーム、最後の一振りは…」【2023編集部セレクション】