急な「めまい」発作の“引き金”となる6つの要因、とくに急激な「気圧の変化」には注意が必要
ただし、耳抜きは頻繁に行うと鼓膜を痛めるおそれがあるので、1日1~2回を限度としましょう。 ■「精神的なショック」も、めまいの大きな要因 【めまいの引き金④ 「乗り物」への乗車】 気圧の変化のところで飛行機や新幹線をあげましたが、乗り物を苦手にするめまい患者さんは多いのです。 周囲の風景が激しく移り変わることによる視覚への刺激、騒音による聴覚への刺激が大きいことに加え、不規則な揺れや振動など、バランスに関する情報が混乱しやすい要素がたくさんあるからです。また、車内の臭いなどがめまいのきっかけになることもあります。
乗り物の中では、できるだけ遠くの景色を見ましょう。とくに、スマートフォンの画面を見る、本や新聞など文字を読み続ける、空腹や食べすぎは、乗り物酔いによるめまいのリスクを高めます。 【めまいの引き金⑤ 避けられない「精神的なショック」】 家族や友人などが亡くなった、突然失業したなど、ショッキングな出来事がきっかけになって、強いめまいの発作に襲われるようになったという人はたくさんいます。引っ越しや転職など、環境が激変したときも要注意です。
■「心」をほぐすために「体」を動かす 精神的なショックが原因のめまいの特徴は、ショッキングな出来事が起きた直後ではなく、ひと段落したときに起きやすいことです。しかし、精神的なショックは避けようと思っても避けられるものではありません。 強い精神的ショック下にあると感じたときには、めまいが起きる前にしっかりと対策を取ってください。 なかなかそんな気分にならないかもしれませんが、体を動かしてみることは、思いのほか心にもいい影響を与えるため大切なことです。心をほぐすために、体を動かすのです。
【めまいの引き金⑥ 「過労」「ストレス」】 仕事や介護などによる過労やストレスもめまいのきっかけになります。精神的なショックと同様、気が張っている忙しいときではなく、ひと段落してホッとしたときに、ぶり返しのように強い発作が起きることがあります。 仕事の量を減らすなど、原因になっていることを取り除くのがいちばんの予防になりますが、それが難しいのであれば「疲れるとめまいが起きやすい」という意識を持つことからはじめてください。
また、日頃から無理をせず、睡眠と栄養をしっかりとって、疲れをためないような工夫をしましょう。
新井 基洋 :横浜市立みなと赤十字病院めまい平衡神経科部長