急な「めまい」発作の“引き金”となる6つの要因、とくに急激な「気圧の変化」には注意が必要
【めまいの引き金① 睡眠不足による「脳の疲れ」】 めまいを起こす原因の約7割は、内耳の異常によるものです。その内耳に異常をもたらす最大の原因と言っていいのが睡眠不足です。私の病院でも、患者さんの睡眠状況を調査したところ、男性で7割、女性で8割の人が不眠症であるということがわかりました。 睡眠不足になると、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が過度に優位となり、血管が収縮して血の巡りが悪くなります。髪の毛1本ほどの細い血管を介して酸素や栄養が届けられている内耳は、その影響を強く受けてしまいます。
また、睡眠は脳が唯一、休息をとれる時間です。それが十分ではないと、日中に脳がしっかりはたらいてくれません。当然、小脳のバランス調整機能も低下することにつながるため、めまいが起きやすくなります。 【めまいの引き金② 風邪などによる体調不良】 体調がよくないときは、体の弱い部分が真っ先にダメージを受けます。めまいのある人は「耳」が弱点ですから、「耳」がダメージを受け、めまいが起こりやすくなります。 とくに、風邪は「内耳」と関連のある病気のため、めまいを悪化させるおそれがあるので要注意。風邪にかかったら、まずはしっかり、風邪の治療をしてください。
【めまいの引き金③ 気圧の変化】 雨の日のめまい外来の患者さんは、「今日は体調がすぐれません」と口をそろえて言います。また、「6月と9月にめまいになりやすい」と言う患者さんも多くいます。 雨の日や、季節の変わり目にめまいが起こりやすいのは、気圧の変化が影響しています。とくに6月の梅雨、9月の台風シーズンは、気圧が急激に変化する時期です。内耳は、気圧の変化を受けやすいので、めまいが悪化しやすくなります。
気圧の変化が起きやすいのは、雨の日や季節の変わり目だけではありません。乗り物にも気をつける必要があります。とくに、飛行機の離着陸時、新幹線がトンネルを出入りするときは要注意です。 即効性のある対処法は、「水を飲む」「アメをなめる」「あくびをする」ことです。それでも耳が詰まった感じがよくならないようなら、左右の小鼻をつまんで空気を吸い込み、口を閉じて吸い込んだ息を耳へ送り込む「耳抜き」を試してみてください。