持ち手が消えた! パナソニック「ラムダッシュ パームイン」が挑む電動シェーバーのデザイン革命
電動シェーバー市場に新風を吹き込む
ーでは、ラムダッシュ パームインが誕生した経緯を教えてください。 田中: 当社のシェーバー購入者を対象としたアンケート結果では、満足度約95%と多くの方に満足いただいています。 また、シェーバーという商品が探究心を掻き立てられるカテゴリーではないといった特性もあり、一度手にしたメーカーを使い続ける方が多い傾向があります。 私達もヒゲを剃る(深剃りと肌へのやさしさ)いう本質機能に特化し、その不満点を改善し、さらなる剃り性能を追求していくといった開発姿勢がベースでした。 北村: パナソニックは、常にユーザーに良いものを届けたいという想いで開発をしています。次なる商品を企画するにあたり、社内で意見交換を重ねた結果、ひとつの結論に辿り着きました。現代の電動シェーバーには“ワクワク感”が足りない、と。 そもそもヒゲ剃りという行為自体を、単なる習慣や義務と捉えているお客様が少なくありません。そのため、電動シェーバーを選ぶ際も、失敗したくないから、と今までと同じようなものを買うわけです。 そこで私たちが、毎日のヒゲ剃りが楽しみになるような電動シェーバーを生み出したい、と思ったんです。
「取ってをなくす」という引き算の発想から生まれた新しい形
ーそこでこの形を思いついたんですね。 北村: はい。新しいモデルを生み出すために、発想をこれまでの“足し算の企画”から”引き算の企画”に切り替えました。とはいえ、電動シェーバーである以上、刃やヘッド、モーターは欠かせません。そこでデザイン担当が目をつけたのが「持ち手」でした。 持ち手はヘッドの性能を引き出すための重要なパーツですが、電動シェーバーのユーザーの中には、ここを握らずに、ヘッドの根元を持ってヒゲを剃っている方もいらっしゃったんです。 実際やってみると、ヘッドを動かしやすく、意外なほど剃りやすい。開発チームは衝撃を受けました。こうして「持ち手のない、ヘッドだけの電動シェーバー」を開発することにしたんです。