持ち手が消えた! パナソニック「ラムダッシュ パームイン」が挑む電動シェーバーのデザイン革命
ーしかし、刃やモーターといったパーツをヘッドのみに詰め込むのは、技術的に難しかったのでは? 北村: まさに試練の連続でした。実際、プロトモデルはけっこう大きかったんです。 ただ、開発チームとしては、使いやすさや持ち運びやすさを考えても、「手のひらに収まり、思いのままに動かしやすいサイズにしたい」という思いがあったんです。幾度となくミリ単位のデザイン修正を繰り返して、少しずつ小さくしていきました。 ラムダッシュのリニアモーターは、8世代にわたってアップデートを続けていて、結果、剃るパワーを強化しつつ、その上でサイズダウンすることに成功しています。この小型リニアモーターの存在が、開発の成功の決め手になりました。
ー電池も小型化したんですか? 北村: 電池はモーターに次いで大きなパーツです。そのため、充電所要時間や使用日数を維持するために電池はそのままで、ほかのスペースを削ることに注力しました。ヘッド内部には電池をはじめ、細かいパーツがパズルのように詰め込まれています。
田中: 妥協しなかった分、電池の性能もキープできました。120分のフル充電で、約14日間使用可能です(1日1回約3分間の利用を想定)。
コンパクトながら、性能は一級品。開発チームが目指した高み
ーそこまでこだわったのはなぜでしょうか? 開発のハードルがいっそう高くなると思うのですが。 田中: 電動シェーバーとしての性能は絶対に落としたくない、という気持ちがあったんです。いくら形が斬新でコンパクトでも、性能がそれなりだったら、驚きは半減、かつただの流行りもので終わってしまいますから。 何よりラムダッシュ パームインの目指すところは、旅行の際に持っていくサブ的なシェーバーではなく、あくまで毎日使うメインの電動シェーバーでした。
ーメインの電動シェーバーとしてのこだわりが強く表れている点を教えてください。 田中: シェーバーの命というべき「刃」です。このモデルには、「5枚刃」が搭載されています。 剃り残しやすい長いくせヒゲを短くプレカットする「アゴ下トリマー刃」、根元から深剃りする「極薄深剃り刃」からなるラムダッシュの5枚刃テクノロジーを搭載しています。また、内刃には焼き、鍛え、研ぎ澄ますといった、日本刀同様の製法でつくられた切れ味の鋭い刃が使われています。