バイクの「スペック表」はどこを見ればいい? 初心者が知っておきたい基本7項目
5,最高出力・最大トルク
最高出力は、ざっくりといえば「そのエンジンは、最大限でどのくらいの力が出せるか」を現したもの。いわば「馬力」のことです。たとえば、CB650Rの場合、「70kW[95PS]/12,000rpm」といった表示となります。 kW(キロワット)は、馬力計算の元になる仕事率の国際単位で、現在世界中で使用されるもの。PS(ピーエス)は、日本やヨーロッパなどで使用されるメートル法に基づく馬力の単位。日本では、昔からおなじみの単位のため、日本メーカーでは、基本的にkWとPSの両方を表示しています。 なお、rpmは、エンジン回転数(1分間のクランクシャフト回転数)で、この場合は最高出力が何回転で発生しているかを示しています。この数値が多ければ多いほど、そのバイクは、高回転域でパワーを発揮する設定になっていることを意味します。 一方の最大トルクは、自転車にたとえると、ペダルを踏み込む最大の力のこと。自転車でいえば、トルクが大きいほど、踏み込む力も大きくなるため、より加速することになる。つまり、大まかにいえば、トルクは加速性能と関係が深く、最大トルクが大きいほど、加速もよくなることになります。 単位は、近年、これも国際基準となっている「N・m(ニュートンメーター)」で現します。ですが、国内では、最高出力のPSと同様、kgf-mが今まで一般的だったため、日本メーカーでは基本的にN・mとkgf-mの両方で表示しています。 また、rpmは、この場合もエンジン回転数のこと。例えば、同じ250ccバイクでも、 CBR250RRは「25N・m(2.5kgf-m)/10,750rpm」 レブル250は「22N・m(2.2kgf-m)/6,500rpm」 といった表記になっています。そして、これらを比較した場合、トルク自体はCBR250RRの方がやや大きいですが、レブル250は、CBR250RRの約半分の回転数で最大トルクを発揮します。そのぶん、例えば、発進時など、低速走行時のスムーズな加速では、レブル250の方が上だということが分かります。