「むし歯」「歯周病」など口のトラブルから始まる《メタボリックドミノ》は、脳卒中や認知症に繋がることも。オーラルフレイル対策2つのポイント
◆フレイル対策のポイント2つ では、どうすればオーラルフレイルを予防できるでしょうか。(1)口の中を清潔に保ち、むし歯や歯周病にならない、(2)加齢で衰える口腔機能の維持と改善に努める、この2つがフレイル対策のポイントです。 (1)で大事なのは、自宅でのセルフケア=ブラッシング。こういうと、「1日2回、朝と晩、歯を磨いているから大丈夫」と思うかもしれません。 しかし、オーラルケアの研究や技術開発は日進月歩です。歯磨きの指導内容がAからBにがらりと変わった、ということは多々あります。 そのうえ、ブラッシングの道具や歯磨き剤も進化していて、いつもとは違う歯ブラシを使ってみたら汚れを除去する効果が大きく上がった、ということも少なくありません。 知識や情報のアップデートも大事。そこで頼りにしたいのが歯科衛生士です。年齢を重ねると体にさまざまな変化が見られるように、義歯がある、インプラントをしている、口周りの筋力が落ちて歯並びが変わったなど、口の中にもさまざまな変化が起こってきます。
◆かかりつけの歯科衛生士を持とう 歯科衛生士は、みなさんの歯や歯ぐき、清掃状態などを総合的にチェック。「歯並びに合わせて歯間ブラシを替えてみましょう」など、現在の状態に適したアドバイスを行います。 また、歯科衛生士が歯ブラシやデンタルフロスなどを使って行う歯のクリーニング「PTC(プロフェッショナル・トゥース・クリーニング)」も受けたいもの。実際に歯の汚れを取ってもらうと清掃のコツやポイントがわかり、日常のセルフケアに活かすことができるはずです。 トラブルが起こってから駆け込むのではなく、定期的に通って口の健康診断をしてもらう、《かかりつけ》の歯科医院を持つことが大切。 低料金で受けられる歯周病検診を実施している自治体もあるので、その機会を利用して自分に合う歯科医院を探すのもおすすめです。この時、歯磨きの方法だけでなく、噛めない、飲み込む力が落ちたなど、口の機能の問題についても歯科衛生士にぜひ、相談してみてください。 次回から歯磨きを中心としたセルフケアのポイントを解説していきます。加えて、口の機能を維持するためのエクササイズも紹介しているので、参考にして日常生活に取り入れてください。 自分の歯で噛むことができれば食事が楽しいですし、活力も湧いてきます。オーラルケアを習慣にして活動的な毎日を送りましょう。 (構成=浦上泰栄)
吉田直美