【府中便り】異例のエイダン来日!本紙松田記者が直球質問「週中から日本にやってきた意図は?」
エイダンがいる! 20日朝の東京競馬場でテンションが上がりました。世界各国でG1・400勝以上を挙げるエイダン・オブライエン師(55)がジャパンCに向けて初めて来日しました。 ◇ ◇ ◇ これまで6頭の管理馬を出走させてきましたが、いずれもレース前、当日とも競馬場には不在でした。管理馬オーギュストロダン(牡4)が参戦する今年は、追い切り前日の19日に来日をしたのです。毎年多くの管理馬を送り込むブリーダーズCでは週中から米国滞在をしていますが、ドバイ、香港などではレース前日や当日の臨場が多い天才調教師。300頭近い管理馬がいる大所帯を率いる人が週中に、それも同馬1頭のために日本に来たことがどれほど珍しいことか…(帯同馬も1頭いますが)。 率直に質問をぶつけてみました。「週中から日本にやってきた意図は」と。A・オブライエン師はしっかりとこちらに目を合わせ、丁寧に答えてくれました。 「いつも香港やドバイに遠征するときはギリギリになってしまいますが、今回はとても重要なレースです。ディープインパクトの最終世代の産駒ということで注目度も高いです。また、初めてターフに出るという日をどうしても見たかったので、今日から競馬場にいることにしました」 英愛米の3カ国でG1・6勝を挙げたスーパーホース。06年ジャパンCを勝った父ディープインパクトへは「すばらしい種牡馬。特別なスピードがあり、動きのかっこよさもすばらしい」と賛辞の言葉を贈ります。早めの来日はこの日初めて芝入りした同馬の日本の芝への適性を、自身の目で確かめたかったということなのでしょう。 オーギュストロダンは今回で引退し、愛クールモアスタッドで種牡馬入りすることがすでに発表されています。輝かしい実績がある一方で、3度の2桁着順もあります。時に凡走をしてきた馬だけに、その点の取捨は少しだけ気になります。 ただ、A・オブライエン師は「いつも、これはちょっと勝ち目がないなというときはライアン・ムーア騎手が押さえ気味に、次のレースを考えながら走らせることを選択していると思います。大きく負けているように映りますが、そういうことを念頭に走っているので、どうしてもそう見えるのだろうと思います。ですが、今回は最後です。また違うかもしれませんよ」と力強い走りを期待します。 鞍上のムーア騎手は13年ジェンティルドンナ、22年ヴェラアズールで2度のジャパンC優勝経験があります。19年ぶりの海外馬Vは海外で磨かれた父の傑作によってもたらされるのでしょうか。24日のレース当日が楽しみでなりません。【松田直樹】