写真提供: 現代ビジネス

　ちょっと短めのおみ足にまるいボディ。唯一無二のフォルムを持つ、神戸市立王子動物園のメスのジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」。そのかわいい姿と優雅な所作から、親しみを込めて、“神戸のお嬢様”とも呼ばれています。 【写真】パンダのタンタンと過ごした、すばらしい日々 　2021年に心臓疾患が見つかり、治療を続けていたタンタンですが、2024年3月31日に虹の橋を渡りました。国内最高齢の28歳でした。いつでも笑顔をくれた神戸のお嬢様・タンタンをしのび、在りし日の日常を振り返りながらお伝えします。

じつはハチミツ嫌い

いつも通りのタンタンです

　「タンタンを語る会」が開催されたのが、連載31回目(https://gendai.media/articles/-/84188)のころ。中国駐大阪総領事館の主催で、神戸市立王子動物園と中華人民共和国ジャイアントパンダ保護研究センターが共催したオンラインイベントでした。 　同イベントには、中国のファンも含め1500名を超える申し込みがあり、パンダ館のライブ中継も行われました。「タンタンは映像の通り、イベント中もマイペースに過ごしていましたよ」と話すのは、飼育員の梅元良次さん。中継では、扉の前で圧をかけ、ごはんをゲットするという、いつものお姿を拝見できました。 　中にはタンタンが歯みがきをしているというお話も。「使っているのは、ごく普通の人用の歯ブラシです」(梅元さん)。この歯みがきによって、歯にはさまっていた竹の葉がとれたのだそうですよ。 　そして、じつはハチミツ嫌いということも話題に上りました。「最近、試しにハチミツをあげてみたのですが、やっぱり食べませんでした。同じ甘い物でも、サトウキビなら食べてくれますよ」と、梅元さん。甘さに何か違いがあるのでしょうか。 　さらに大阪大学と合同で行ったパンダの利き手についての研究について。梅元さんによると「タンタンは、竹の皮を歯で剥がすときだけ、左前あしで竹をつかみます。束ねた竹の葉やリンゴ、ニンジンなどをつかむときは、右前あしを使うことがほとんどです」どうやら右ききであるということがわかりました。人間は約9割が右利きだそうですが、パンダについては、左右どちらの利き手が多いのか、まだ分かっていないそうです。いろいろ興味深いですね。