クマじゃないから…動物園のパンダ「実はハチミツ嫌い」だった!
ラッキータンタン
連載32回目(https://gendai.media/articles/-/84411)では、コロナ禍で休園していた同園の約2か月ぶり再開が紹介されました。取材日は6月。パンダの観覧時間は10時から15時30分までですが、基本的に屋内での観覧です。開園後、タンタンはもう屋内にいるかと思いきや、じつは外のやぐらの下にいました。「まさか、あそこで寝だすとは思いませんでした」と梅元さん。いつもは自分から中へ帰ってくるのに……。再開園記念のラッキータンタン。お嬢様流のファンサービスだったのでしょうか。 その後は梅元さんに促され、9時55分頃にようやく室内へ。体重計に置かれたニンジンとペレットめがけて一目散です。食欲は旺盛で、園内で採れたホテイチク(布袋竹)もおいしくいただきました。獣医の谷口祥介さんによると「強心薬の投与を始めてから、食欲や運動量も増え、今のところ状態は安定しています」とのこと。 気になるおなかのおハゲは以前から実施している心臓や腹部のエコー検査のためのもので、新たに追加した検査はありません。「毛刈りの位置は飼育員と相談して決めて獣医が刈っています。タンタンが嫌がらないように、バリカンを使って慎重に刈ります」(谷口さん)。毛刈りにも気を使っておられるのですね。 そんなお嬢様のようすを伝えてくれる、公式ツイッターでの発信についても聞いてみました。梅元さんは「公式ツイッターで、きょうのタンタンを始めたときから僕が意識しているのは、どんな時でも、タンタンの様子を見て楽しい気分になって欲しいということ。休園中も、みなさんが少しでも楽しい気持ちになるようにと考えて、写真や文章を考えていました」と話します。ファンの癒しでもある公式ツイッター。『#また明日ね』のタグにグッと来るんですよね。
タンタンのリズム
朝からやる気マンマンだったのは、連載33回目(https://gendai.media/articles/-/84654)。取材日は、健康診断のために11時頃から観覧開始となりました。室内でお気に入りのタイヤに収まって竹を食べているタンタン。10分ほどで食事を終えて、部屋の隅でゴロンと横になりました。うつぶせに転がった巨大おにぎりのような姿に、ファンから「かわいい~!」の声が上がります。 目が覚めてちょっと手持ち無沙汰になると、右前あしでお腹をトントン。なにやらリズムを取っています。「ごはんも食べ終わり、することがない時によく見られる動作です。僕は、タンタンの暇つぶしなのかなと思っています」と、梅元さん。以前から、夕方によくやっていたというこの動作ですが、この頃は頻度が増えてきて、ほぼ毎日見られていました。 カメラを向けても気にするようすはありません。それにしても、とても感情が豊かなタンタン。笑ったり、得意げな顔をしたり、いつもいろいろな表情を見せてくれます。 竹がおいしくなくなる初夏はタケノコを好んで食べます。おいしいタケノコを食べて、思わずほくそ笑むことも。タケノコは竹と違って捨てる部分がなく、食べた分だけ体重にも反映されるのだそうです。心なしか少し丸くなりましたか? お嬢様。 そして、甘いサトウキビも大好きです。サトウキビは甘いだけでなく、繊維質や各種ミネラルに鉄分などが含まれていて栄養も豊富。おいしいものがたくさん! ごはんの時間が待ち遠しくて、思わずリズムをきざむお嬢様なのです。 NEXT:次回は2024年6月26日(水)に、お届け予定です! ※今回のおまけ写真は、2022年1月に撮影したものです。 <動物園の基本情報> 神戸市立王子動物園 〒657-0838 兵庫県神戸市灘区王子町3-1 TEL : 078-861-5624(代表) 公式ホームページ:https://www.kobe-ojizoo.jp 公式Twitter(@kobeojizoo):https://twitter.com/kobeojizoo
二木 繁美(パンダライター&イラストレーター)