【教えて!ベテラン気象予報士・吉田さん】急に寒くなりましたよね・・・でも今年は暖冬傾向です 一方、マイナス60cm超で渇水が続く琵琶湖はどうなる? 取水制限もありえる?
11月末から急激に寒くなりましたよね。週末ごとに寒くなっていっている印象ですが、今年の近畿の冬はどれほど寒くなるのか?そして、最近急にニュースで取り上げられ始めた「琵琶湖渇水問題」はどうなっていくのか。取水制限までいってしまうのか?ベテラン気象予報士に聞きました。教えて!吉田さん!
史上最も暑い秋に、史上最も暑い年。史上最も激動の11月
先日、気象庁から今年の秋のまとめが発表されました。この秋の平均気温は、平年を1.39度も上回り、「史上最も暑い秋」であったことが明らかになりました。過去の記録は昨年の+0.90度で、それを大きく上回っています。春、夏に続いて3季連続で歴代一位の記録で、「史上最も暑い年」になることは確実な状況となっています。 ところが、記録的暑さにも関わらず、11月は寒かったと思う方も多くいらっしゃるのではないのでしょうか?大阪の旬ごとの気温をみると、11月上旬から中旬にかけて平均気温は7.0度も下がり、年間歴代1位の気温落差となりました。11月上旬は半袖でもいいくらいでしたが、中旬になるとコートが欲しくなるくらいで、このままだと冬の寒さはどうなるのかと心配になる位です。
冬は暖冬傾向 ただし激しい気温差も
とはいえ、この冬はエルニーニョや地球温暖化により、全国的に暖冬傾向には変わりありません。ただし、エルニーニョは少し変調し、言わば「エルニーニョもどき」となりつつある状況です。 「エルニーニョもどき」とは、通常のエルニーニョよりも西の海域、太平洋の真ん中付近で海水温が上昇する現象で、対流活動もエルニーニョより西にずれ、エルニーニョに比べ寒波は入りやすくなります。平均すると暖冬にはなりそうですが、暖かいだけの冬では済まず、寒暖の差の大きな冬となり、寒くなる日は大雪に見舞われ、暖かくなる日は極端に暖かくなり急激な融雪を招いたりする恐れがあります。ただ、通常の「エルニーニョもどき」にくらべると太平洋の西側、東側とも海水温が高く、典型的な「エルニーニョもどき」ともいえません。地球温暖化とも重なり、なにが起こるかわからない側面もあります。