コーチングで最初に取り組むのは「現実的な自己」か「理想的な自己」か? 【原文】Coaching the real self vs ideal self-which first?
コーチのための学び
1.コーチングの際にクライアントが現在の問題について話し始めたら、理想の自己や最高の自分に関する望みについて問いかけ話題を変えよう。理想自己に関わる文脈を選べるように促すとよい。それは、場合に応じて狭い文脈(特定の課題という文脈での理想自己など)でもよいし、広い文脈(複数の文脈における理想自己など)でもよい。 2.最高の自分や価値を十分に思い描き、今の現実自己に対する思いやりが生じるように探求を広げ、行動変容に必要なクライアントの内的資源を引き出そう。 3.クライアントが理想自己、最高の自分を説明することができたら、今度はその理想自己または最高の自分に至る道のりの出発点として、思いやりの気持ちをもって現在自己の探求を始めよう。 4.コーチングの取り組みの中で、何度も理想自己に立ち返ってみよう。 ◼︎Citation: Jack AI, Passarelli AM, Boyatzis RE. When fixing problems kills personal development: fMRI reveals conflict between Real and Ideal selves. Front Hum Neurosci. 2023 Aug 3;17:1128209. doi: 10.3389/fnhum.2023.1128209. PMID: 37600554; PMCID: PMC10435861. ◼︎Other IOC resources: ・How to envision one’s ideal self ・Coaches as Intentional Change Artists ・Self-Determination Theory in Leadership Coaching ・Richard Boyatzis Resources
【筆者について】 キンバリー・マッギー(Kimberly McGhee)氏は、研究成果を幅広い読者層にわかりやすく伝えることに情熱を注ぐサイエンスライター。ニューヨーク州立大学バッファロー校で比較文学博士課程を修了、臨床医学専門誌や医療雑誌の編集長を経て、現在はサウスカロライナ医科大学でサイエンスライターとして活動するとともに、同大学院サイエンス・コミュニケーション・イニシアチブのディレクターを務める。 マーガレット・ムーア(Margaret Moore)氏は、米国、英国、カナダ、フランスにおけるバイオテクノロジー業界で17年のキャリアを持ち、2つのバイオテクノロジー企業のCEOおよびCOOを務めた。2000年からは、健康関連のコーチングに軸足を移し、ウェルコーチ・コーポレーションを設立した。ムーア氏は米国コーチング研究所(IOC:the Institute of Coaching)の共同創設者および共同責任者であり、ハーバード大学エクステンション・スクールでコーチングの科学と心理学を教えている。
【翻訳】Hello, Coaching! 編集部 【原文】Coaching the real self vs ideal self-which first?(2023年12月10日にIOC Resources(会員限定)に掲載された記事の翻訳。IOCの許可を得て翻訳・掲載しています。)
Kimberly McGhee, Margaret Moore