更年期のめまい? 難聴症状があったらメニエール病かも!【更年期症状と間違えやすい病気に要注意! ③】
突然、襲われるめまい…。これも更年期症状として挙げられる不調のひとつだ。しかし、メニエール病や良性発作性頭位めまい症といった耳鼻科の病気であることも。そんな可能性について、女性医学の専門医である小川真里子さんに伺った。
難聴の症状があったら耳鼻咽喉科が正解!
更年期になると、さまざまな不調が現れてくるが、そのひとつに「めまい」がある。更年期でめまいが起こるのはどうしてなのだろうか? 「めまいの原因には、脳の障害によるものと、内耳や神経の障害によるもの、それに更年期によるものなどがあります。 女性は更年期以前から、月経で経血が失われたり、月経前症候群などで、一時的に脳への血流が減少する脳貧血や立ちくらみなどを経験する人も少なくないでしょう。 特に、更年期のめまいの原因はエストロゲンの分泌が急激に減少することで、自律神経のバランスが乱れること。それに加え、加齢による感覚器官の機能低下、ストレスなどの精神的要因も関係していると考えられています。 めまいは、体がふわふわする『浮動性めまい』、グルグル回るような『回転性めまい』、目の前が暗くなって気が遠くなる『失神性めまい』に分類されます。 更年期のめまいで多いのが、地に足がついていないようなふわふわとした浮遊感のある『浮動性めまい』です。歩いているとき、人混みの中で、立ち上がるなど急に体の位置を変えるような動作をしたときなどに起こりやすいですね。 この更年期によるめまいと思っていたら、実はメニエール病や良性発作性頭位めまい症(BPPV)という耳鼻科の病気であることもあるので注意が必要です」(小川先生) その違いはどんなところなのだろうか? 「大きな違いはメニエール病の場合は『回転性めまい』であることです。そして、難聴の症状を伴うことが多いのも特徴です。特に更年期の場合、時々、耳鳴りを伴うことはあるのですが、難聴はないので、もしも難聴の症状があって、ほかに更年期の症状がない場合には、ファーストチョイスとして耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします」