更年期のめまい? 難聴症状があったらメニエール病かも!【更年期症状と間違えやすい病気に要注意! ③】
良性発作性頭位めまい症も結構多い
「メニエール病のほかに、更年期症状と間違えやすいめまいを伴う病気に良性発作性頭位めまい症(BPPV)もあります。 これは寝返りを打ったり、美容院での洗髪などで、頭を特定の位置に動かした際に、10~30秒続く強い『回転性めまい』です。耳鳴りや難聴などの症状はなく、めまいが起こり、次第に強くなり、やがて消えていきます。 耳石器から脱落した耳石が半規管内に入ることで、めまいを生じる病気です。耳石は炭酸カルシウムからなるため、閉経に伴い骨粗しょう症が増えてくる50代以降の女性に多発します。 これが疑われる場合は、耳鼻咽喉科での眼振検査で眼振の有無を調べます。その方法は赤外線CCDカメラ、フレンツェル眼鏡を用いて、頭位眼振検査、頭位変換眼振検査などがあります。 この病気の場合、症状は自然に軽減することが多いため、抗めまい薬や抗不安薬などの投薬による対症療法が基本です。それで治らない場合は、理学療法による耳石排出や半規管を遮断する手術療法が行われます。 めまいが起こる病気はほかに、脳が関係していることもあります。婦人科や耳鼻咽喉科、脳神経外科など、一度、医療機関に相談してみることをおすすめします」
【教えてくれたのは】 小川真里子さん 産婦人科医、医学博士。福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター 特任教授。日本産科婦人科学会・日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医・指導医。専門は更年期医療学、女性心身医学、女性ヘルスケア。相談やカウンセリングを中心としたケアサポートとともに、最新のテクノロジーや視点を取り入れて、更年期を取り巻く環境や文化を積極的にアップデート。 イラスト/内藤しなこ 取材・原文/山村浩子