更年期のめまい? 難聴症状があったらメニエール病かも!【更年期症状と間違えやすい病気に要注意! ③】
神経質で几帳面な人に多い傾向
「メニエール病は耳の内耳という部分に、内リンパ水腫と呼ばれるリンパ液がたまることで発症します。内耳にリンパ液がたまって圧が高くなってむくむと、三半規管や聴覚がうまくコントロールできなくなります。 なぜ内リンパ液がたまるのか、その原因ははっきりわかっていませんが、30代~50代の女性に多く、神経質で几帳面なタイプの人に発症しやすい傾向があり、ストレスや過労、睡眠不足などが関係しているともいわれています。 『回転性めまい』の前に、多くの場合、難聴、耳鳴り、耳の閉塞感などの聴覚症状が起きます。悪心や吐き気、嘔吐を伴うこともあります。こうした症状が10分~数時間続き、頻度は週に数回~年に数回など人さまざま。早朝から20時くらいの生活時間帯に起こることが多いようです。症状の有無や重さは個人差があります。 耳鼻咽喉科での検査では、症状についての問診のほかに、聴力検査、眼振検査、平衡機能検査、内リンパ水腫の確認のために画像検査などを必要に応じて行うことで、総合的に判断されます」 【メニエール病の検査】 ●聴力検査/聞こえにくい音域、特にメニエール病では低い音が聞こえにくくる。 ●眼振検査/どのようなめまいが起きているのかがわかる。 ●平衡機能検査/目を開いたままや閉じたままで立てるかどうか、その場で足踏みができるかなどで検査をする。 ●画像検査/MRIで内リンパ液の程度、頭部に腫瘍や血管系疾患がないかも確認する。 ●内リンパ水腫推定検査/利尿剤の投与前後で変化をみるグリセロールテストなど。しかし、MRIの登場でこの検査は少なくなっている。 「治療法は急性発作期には対症療法として、薬物療法が中心になります。抗めまい薬で症状を抑え、嘔吐がある場合は制吐薬、いつ発作が起こるかわからずに不安感が強い場合には抗不安薬などが処方されます。ひどい発作が起きたときは、点滴や注射で対応することもあります。 強い発作が治まっている間欠期には、内耳循環改善薬(抗めまい薬)やビタミンB12、漢方薬などを使いつつ、過労やストレスフルな状態を避け、十分な睡眠をとるなどの生活習慣を整えていくことが大切です。 こうした療法で改善しない難治性の場合は、前庭機能を破壊してめまいを感じなくさせるなどの手術療法を行うこともあります」