香港から逆輸入! 知的好奇心がくすぐられる未体験の味が楽しめる〈CENSU TOKYO〉
その後は東京に戻り、〈シンシアブルー〉で働いたのち、独立を決意。昨年の開店からすぐに火がつき順調そのものという印象を受けましたが、実際のところはどうだったのでしょうか。 「そうですね。オープンしてからはありがたいことに沢山の方に足を運んでいただいていますが、そもそもこの場所にお店を出すことを周囲に強く反対されていました。有名シェフでもないのに、外苑前で二階建てのお店をやるなんてリスキーだと止められたんです」。 それでも反対を押し切り、開店した理由について、「人生一度きりなんだから、失敗してもいい。その気持ちだけですね」と落ち着いた口調で、強い意志を持って答えてくれました。
居酒屋料理を独自に解釈したCENSUな一皿
フレンチ、ベトナム、香港、和食と各国料理のパーツを織り交ぜた新感覚の居酒屋料理を提案している〈CENSU〉。グランドメニューの6割は香港の本店から輸入し、日本食材を使ってマイナーチェンジしているそうです。 一見胡瓜のようなこちら、実はほうれん草を胡瓜に見立てているんです。旨みが強く弾力感のあるほうれん草を、炒った白ごまと、練りごまを使った濃厚なごまソースで拭っていただきます。
ヒラメのカルパッチョにはアールグレイのソースを添えて。フレンチ出身のシェフならではの巧みなソース使いが光ります。
合わせるのは自然派のオレンジワイン。この一品に限らず、〈CENSU〉の個性溢れる料理には優しい味わいのナチュールがぴったりなのです。 青芯大根の夏らしい酸味と上品なアールグレイのソースがクリアな味わいのヒラメと相性抜群。コーディネートしていただいたオレンジワインもピチピチとしていて爽やかなマリアージュを楽しめます。
お次は「うにぎり」。このメニューはシェフがベトナムレストランで働いていた時にまかないで食べていた焼きおにぎりをアレンジしたものなんだとか。
あわびの出汁に浸かったパルミジャーノ入りの巨大おにぎりを崩し、ウニをちょこんとのせてリゾット風に食べるのが正解。 パリパリに焼かれた香ばしい焼きおにぎりとトロっと食感の甘いウニがお出汁で繋がれ、口に入れたときの味のグラデーションがパーフェクト!