大型選手揃いの二松学舎大附に現れた“小さな大投手”が投打の活躍で勝利をもたらす【24年夏の東東京大会】
<第106回全国高校野球選手権大会東東京大会:二松学舎大附6-3東京成徳大高>18日◇4回戦◇明治神宮野球場 【トーナメント表】東東京大会 18日までの結果一覧 二松学舎大附は2試合連続でタイブレークを制して4回戦に進出。もともとエースであった大内 啓輔(3年)が先発した。しかし大内は立ち上がりから乱調。1回表東京成徳大高の3番・大石 晃生外野手(3年)の二塁打に続き、3人続けて四死球で押し出しの1点を献上した。ここで二松学舎大附は、背番号1の関根 侑真(3年)を急遽マウンドに送る。市原 勝人監督は、「大内に不安があったから、準備はしていました」と語る。 1回途中から登板した関根は、安定した投球で試合を作った。関根は身長163センチと小柄。それでも「気持ちのある子。コツコツ頑張ってきた」ということで市原監督は、この夏初めて関根に背番号1を与えた。 二松学舎大附は1回裏に安打4本を集めて3-1とリードしているが、2点差だと勝敗の行方はまだ分からない。二松学舎大附が勝利に近づいたのは6回裏の攻撃だった。2つの四球と安打で二死満塁のチャンスを迎え、9番・関根が左中間を破る三塁打を放ち満塁の走者が生還した。関根は外野手もしていたので、打力もある。 東京成徳大高は8回表に小川 健翔一塁手(2年)が2ランを放ったが、追い上げもここまでだった。 9回のマウンドに立つ関根は、しきりに足首のあたりを気にしていた。「吊りかけていました。でも気合いで頑張りました」と関根は言う。関根は1回途中からほぼ完投に近いロングリリーフで二松学舎大附の勝利に貢献した。関根は130キロ台半ばのストレートは打者の手元で伸びて、見た目以上に威力がある。それにカーブ、スライダー、チェンジアップなどの変化球も駆使するが、最大の武器は気持ちの強さだ。 二松学舎大附は1年生から試合に出ている片井 海斗(3年)、五十嵐 将斗(3年)らの調子がいま一つ。その間にほかの選手が台頭しているのが、二松学舎大附の層の厚さであり、底力だ。二松学舎大附は5回戦で駿台学園と対戦する。駿台学園の市原 優人部長は、市原 勝人監督の息子である。注目の親子対決となる。