久保建英が厳しいマークを打開する解決策をスペイン人番記者が指摘 対策されても見えた光
【対策を講じてくる相手への対応策】 そのような状況下でプレーする場合、それほど大きな輝きを放てないかもしれないが、だからといってそれはプレーが悪かったことを意味しているわけではない。直近のレガネス戦で相手が後ろに大きく引き、DFラインがGKにほぼ密着している局面があった。久保はその際、サイドでドリブル突破してゴールラインまで到達するのに苦労したが、他の解決策を見つけていた。先制点のプレーは、彼がカットインから逆サイドに送った正確なパスが起点となったのだ。 この試合で得たものは、ラ・レアルで再びスターとなった1年に最高の輝きをもたらすために、残りの試合で自分が何をやるべきかの方向性を示すものになったと思う。 また、厳しいマークを打開するための解決策が、常に自分の背後にあると久保は気づいている。対戦相手が彼のことをよく研究し、その対策を徹底的に施してくるなかでの1対1の場面で問題を解決するためには、右サイドバックのホン・アランブルとの新たなコンビネーションが必要となる。 このベネズエラ代表の右サイドバックは、久保と多彩で効果的なコネクションを築いている。1年前には考えられなかったが、今ではお互いを完璧に理解していると言えるだろう。 彼らはアヤックス戦で勝利した時、すばらしい連係で主役を演じた。アランブルは右サイドに強烈な個性とエネルギーをもたらし、彼のオーバーラップによって久保は度々、執拗なマークから解放されている。サイドを駆け上がることでマーカーを引きつけ、攻撃をサポートして2対1の局面を作り出す彼を、久保は大いに頼るべきだ。そうすることで久保は1対1を仕掛ける自由を得て、その計り知れないドリブルのクオリティーを発揮し、中に入って優位に立てる。 それが、これから先も彼を待ち受ける厳しいマークに打ち勝つカギとなるだろう。そうすれば2024年を自分にとってふさわしい形で終えられ、ラ・レアルの選手としてさらなる成長ができた1年を締めくくることができるはずだ。 (髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)
ロベルト・ラマホ●取材・文 text by Roberto Ramajo