横浜DeNA山崎康晃が“7回の男”で開幕1軍に滑り込み!
続く山口の初球には、この日、最速の148キロのストレートをアウトローに決めた。ひとつのアウトで落ち着いたのか、ボールが低めに集まりだし球速もアップした。1-1からは宝刀のシンカーで空振りをとった。不振の昨年は、このボールで空振りを取れなくなっていた。山崎は、3球続けてシンカーを使い、最後は目線が上下した山口が手を出すことができず見逃しの三振。3人目の中村には、ストレートで追い込んで147キロのストレートをアウトローにズバッ。中村はスイングしたが、完全に振り遅れていた。昨年の山崎のストレートは表示が150キロを超えながらも、こういうキレがなかった。 圧巻の三者連続三振。ベンチでニコっと笑った三浦監督は、「気持ちが入ってボールの走りがよくなっている」と評価した。 「久々の横浜スタジアム。初めての1軍マウンドで結果が出て良かったという安心感と、3日後には厳しいレギュラーシーズンが始まるという思いがある。チームの戦力として、ひとつひとつ階段を上がって頑張っていきたい」 試合後、オンライン取材に応じたヤスアキの言葉が正直な気持ちだろう。 昨年は”守護神”として開幕を迎えたが、8戦目の阪神戦でゲームを壊し、7月26日の広島戦で会澤に満塁本塁打を打たれて中継ぎに降格。その後、敗戦処理までやり、最後まで調子を取り戻すことができなかった。3敗6Sで防御率は5.68である。 沖縄キャンプは2軍で過ごした。ファームの試合で実戦機会を積み、開幕3日前に滑り込むようにして、この場所に帰ってきた。 「1か月ちょっと…ファームでいろんな思いで、いろんな景色を見て野球をやった。精神的にも今までの自分より進化したいと。成長させていただいた。ファームの選手にもいい刺激になればと(ファームの)マウンドに上がった。違った姿で戻ってこれてよかった」 山崎は、その間、新球のツーシーム開発にも取り組んでいた。 三浦監督は“7回の男”に蘇った山崎を指名した。この日は、新勝利方程式を意識して、7回山崎、8回石田、9回三嶋と投入した。あとの2人はピリっとせずに失点したが、三浦監督は「9回打ち切りなので、厚いリリーフ陣になると思う」と信頼を寄せた。