千葉御三家で「一月の覇者」になれ! 都内難関校で「二月の勝者」をつかみ取るための併願戦略
◆1月入試はお試し受験!?
中学受験マンガ『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』(高瀬志帆)は大団円を迎えましたが、首都圏中学受験はいよいよ本格的な追い込み時期に入りました。 【グラフを見る】1日3時間勉強しても偏差値50以下…。成績に悪影響なNG習慣とは? 首都圏中学受験のスケジュールは、まず12月初旬に、千葉・茨城県の私立中の専願入試(合格したら必ず入学することが大前提になっている受験方法)と都内私立中の帰国子女入試が始まります。 そしてお正月が明けるやいなや、茨城私立中入試、寮のある私立中の東京入試(北嶺、愛光、西大和など)が行われ、1月10日から埼玉県私立中入試、1月20日から千葉県私立中入試、2月1日から東京・神奈川私立中入試へと進んでいきます。 「お試し受験」や「前受け」とも呼ばれる1月入試ですが、中学受験が過熱している昨今はかなり様子が違います。「二月の勝者」をつかみ取るためには、「一月の覇者」になる必要があるのです。
◆「千葉御三家」とは
千葉県私立中の渋谷幕張中・市川中・東邦大東邦中のことを俗に「千葉御三家中」と呼びます。ちなみに高校受験にも御三家はあり、「千葉県立御三家高」は千葉高・船橋高・東葛飾高の3つを指します。 歴史をひも解けば、市川中学校は1937年に男子校として設立され、2003年から共学になり現在に至ります。東邦大東邦中学校は、東邦大学の付属高校として東邦大付属東邦高校が1952年に開設され、付属中学校がその9年後の1961年に設立されました。 駒場東邦中学校とは姉妹校にあたります。渋谷教育学園幕張中学校は、1983年に千葉県新都心幕張の地に高校が開校、中学はその3年後の1986年に開校し、3校の中では最も新しい学校です。 つまり3校とも、千葉高や船橋高の受験生が県立入試の前に合格しておく難関私立高としてスタートしました。 ところが現在では、渋谷幕張高の高入生比率は20%、市川高は高入生比率27%です(*1)。いずれも開成高や慶應義塾女子高の併願校として、超難関私立高にあたります。そして東邦大東邦高にいたっては、高校生の外部募集は帰国生を除いてありません。 では、この「千葉御三家中」の実力を数字で見てみましょう。なお、以下の偏差値は四谷大塚合不合判定テスト(第5回:11/17実施)の男子Aライン80%合格判定偏差値を使用しています(*2)。 渋谷幕張中第1回入試(1/22入試)の偏差値は70(参考:開成中は71、灘中は72、筑波大駒場中は73、聖光学院中は70、麻布中は65)で本年度の東大合格者数は64名。 市川中第1回(幕張メッセ)入試(1/20入試)の偏差値は65で本年度の東大合格者数は31名。東邦大東邦中前期入試(1/21入試)の偏差値は61で本年度の東大合格者数は10名です(*3)。 この3校の中では東大合格者数が見劣りする東邦大東邦中ですが、高3の11クラスのうち9クラスが理系クラスで、医学部進学率が非常に高い進学校であることを付け加えておきます。