元気な人は食べている!?疲労回復に効く食べ物について解説、元気が出るコンビニメニューも
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。 体や頭、心など、現代人は日々いろいろな疲れを感じています。 【画像】元気な人は食べている!?疲労回復に効く食べ物について解説、元気が出るコンビニメニューも 疲れをとるには休むことや睡眠も効果的ですが、食べ物から摂る栄養も大切です。疲れに効果的な栄養を摂って休んだり、睡眠をとったりすればより疲労回復によいのではないでしょうか。 まず大前提として、健康な体をつくるにはバランスのよい食事を適量摂ることが大切です。バランスのよい食事とは、主食(ご飯やパンなど)・主菜(肉や魚、卵を使ったおかず)・副菜(野菜中心のおかず)と、乳製品や果物を1日1~2品ずつ取り入れたもののことです。 つまり、バランスのよい食事の中に疲労回復によい食材を取り入れるのが理想といえます。とはいえ、疲れているときにそこまでできないというのが現実ですよね。 まずはこの記事で疲れに効く食べ物を知り、少しずつ取り入れていくとよいでしょう。コンビニで手軽に買える食べ物についてもお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。
疲労回復に効果的な食べ物とは
疲労回復に効果的な食べ物は、 ・豚肉 ・うなぎ ・レバー ・にんにく ・梅干し ・果物 などが挙げられます。 これらの食べ物がなぜ疲労回復に効果的といわれているのか、次で解説していきます。 ●豚肉(ビタミンB1・たんぱく質) 豚肉が疲労回復に効果的といわれているのは、ビタミンB1が豊富なためです。ビタミンB1は糖質からエネルギーをつくるのを助ける働きがあります。 ビタミンB1を十分に摂取していると、糖質から効率よくエネルギーを生み出せるようになるのです。 豚肉の中でも、ヒレ肉やモモ肉のビタミンB1含有量は食品全体でトップクラスです。 さらに豚肉に豊富なたんぱく質は、筋肉の材料となるため疲れに効くといわれます。 運動後に活性化する筋肉の合成に必要なたんぱく質をしっかり補給することで、体の疲れをとる助けとなるのです。たんぱく質は、肉・魚・卵・豆製品に豊富です。 ●うなぎ(ビタミンB1・DHA・EPA) うなぎは豚肉と同じくビタミンB1が豊富なことから、疲労回復に効果的といわれています。うなぎのビタミンB1含有量は、豚肉よりは少ないものの魚介類でトップクラスです。 さらに、うなぎにはDHAやEPAといった体によい不飽和脂肪酸も豊富です。脂肪が豊富ということはカロリーも高め。疲れた体を回復するには、カロリーが必要です。せっかく高いカロリーを摂るなら、良質な脂肪から摂ることをオススメいたします。 土用の丑の日に夏バテ予防として、ビタミンB1と良質なエネルギー源のうなぎがすすめられるのも納得ですね。 ●レバー(鉄分) レバーは体に吸収されやすい鉄分が豊富なため、貧血を予防・改善します。 鉄は体中に酸素を運ぶ働きをもち、不足すると疲れやすくなります。レバーなど鉄の豊富な食材を食事に取り入れて補給することで、疲労回復につながるでしょう。 さらにレバーに含まれる鉄はヘム鉄といって、体に取り込みやすい鉄です。なお植物性食品に多い非ヘム鉄は、ヘム鉄と比べて吸収率が低いです。 ちなみにレバニラ炒めなどで食べられることの多い豚レバーは1人前(50g)で、6.5gの鉄が摂れます。これは、20~60代の男性の必要量(※)を満たせる量です。 (※)厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版より 鉄分は牛ヒレ肉・マグロ・あさり・厚揚げ・納豆・小松菜・ひじきにも多く含まれます。・非ヘム鉄の吸収率を上げるコツ なお、植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄は、動物性食品に多いヘム鉄と比べて吸収率が低いです。 ところが、非ヘム鉄をビタミンCや動物性たんぱく質と一緒に摂ると、吸収率がよくなります。そこで非ヘム鉄は、ビタミンCの豊富な野菜や果物、動物性たんぱく質の豊富な肉や魚と摂るようにするのがオススメです。 ●にんにく(ビタミンB1・アリシン) にんにくに含まれるアリシンには、ビタミンB1を活性化させる働きがあるといわれています。 にんにくにはビタミンB1とアリシンの両方が含まれるので、疲労回復によいといわれるのです。ビタミンB1の豊富な豚肉とにんにくを一緒に料理すると、疲労回復効果のアップが狙えますね。 ●梅干し(クエン酸) 梅干しに豊富なクエン酸は、運動の疲労を取り除く効果が期待されています。 ある研究によると、クエン酸には運動後に増えるとされている血中乳酸を減らす効果があることを示す結果が報告されています。 以前、乳酸は激しい運動後に増えることから疲労物質といわれていました。しかし最近では疲労の原因は、乳酸が発生する過程で起こる反応の結果、筋肉のpHバランスが酸性に傾くことと考えられています。 そのためクエン酸が血中乳酸を減らすことで、筋肉の疲れをとれるかはわかりません。 とはいえ、クエン酸はエネルギーをつくるクエン酸回路に必要なエネルギーです。適度にクエン酸を摂取すれば、体の疲れをとるために必要なエネルギーをつくる助けとなるでしょう。 クエン酸は、レモン・グレープフルーツ・キウイ(緑)にも多く含まれます。 ●果物(ビタミンC・クエン酸・ブドウ糖・果糖)果物(ビタミンC・クエン酸・ブドウ糖・果糖) 果物には、ビタミンCやクエン酸、ブドウ糖、果糖が含まれるため疲れに効くと考えられます。 ビタミンCは免疫を高める効果があり、クエン酸やブドウ糖、果糖はクエン酸回路でエネルギーを精製するために必要です。果物を食べることで免疫を高め、すばやくエネルギーを補給する助けとなるでしょう。 果物の中で1番ビタミンCが多いのはゴールドキウイです。また、クエン酸は普通のキウイやグレープフルーツ、イチゴ、パイナップルに含まれます。ブドウ糖や果糖は量に違いはあるものの、どの果物からも摂取できます。 ・ビタミンCの働き ビタミンCは強い抗酸化作用で非ヘム鉄の吸収率を上げるほか、コラーゲンの生成を促すため疲れにくくなる可能性があります。コラーゲンは肌だけでなく、血管や軟骨、腱などの材料です。そのためビタミンCが長期間不足すると、体重や筋肉が減少し疲れやすい体へとつながると考えられます。 また高齢女性を対象とした研究によると、血中ビタミンCが高い方は低い方と比べて筋力が高い、という報告も。ビタミンCと筋力の関係はまだ研究中ですが、今後の発表が楽しみですね。 ビタミンCは、赤ピーマン・ブロッコリー・じゃがいも・キウイ・いちごなどに豊富です。芋類以外のビタミンCは熱で壊れやすいので、加熱する場合はすばやく調理しましょう。 ・ブドウ糖や果糖って何? ブドウ糖と果糖はこれ以上分解できないため、すばやくエネルギーとして利用できる糖質です。 ブドウ糖は血糖値を上げる糖で、脳の唯一のエネルギー源ともいわれる栄養素です。そのため勉強や仕事で頭が疲れたと感じる時に、ブドウ糖を含む食べ物や飲み物を摂るとスッキリするのです。 また果糖は、ブドウ糖より早くエネルギー源として利用されます。