エアコン暖房の風量はどうすれば節電になる? 家電のプロがおすすめする設定は
エアコン暖房を使用するとき、気になるのが電気代。できることなら安く抑えたいですよね。風量設定はどのようにするのが正解なのでしょうか。 【表】エアコンは何年で買い替え? 家電の寿命一覧 「All About」ガイドで、企業の製品開発のお手伝いやPR支援なども行うコヤマタカヒロが解説します。 (今回の質問) 電気代を押さえたい場合、エアコン暖房の風量設定は何がよいでしょうか? (回答) 風量を強くすることで部屋を早く暖められますが基本は自動にしましょう。 どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
◆基本は「自動」にするのがおすすめです
エアコンは室内の空気を吸い込んで、熱交換器に通し、暖かい空気や冷たい空気を掃き出す仕組みの家電です。このため、風量を上げると空気を吸い込むスピードも速くなり、室温の上昇が速くなります。設定温度に早く到達することができれば、より早く省エネ運転に切り替えることが可能なため、室温が低い場合などに風量を強くするのも確かに1つの手ではあります。 ただ、それよりも風量を「自動」に設定する方がおすすめです。最新のエアコンでは風量を「自動」に設定すれば、室温が低い間は自動で風量を強くして空気の入れ替えを行い、室温が上昇してきたら自動で風量を下げる、といった運転をしてくれます。基本的には風量設定は自動にしておきましょう。 また、暖房の風量が強過ぎると、室内が乾燥するだけでなく、部屋で過ごしている人の肌も乾燥してしまいます。温風が直接上半身に当たることで、のぼせたような状態になりかねない点にも注意が必要です。
◆サーキュレーターや加湿器の併用も効果的
このほか、暖房効率を高めるためにおすすめなのが、サーキュレーターと併用すること。サーキュレーターは部屋の空気の循環を促すことができるため、室温をより早く設定温度に近づけることができます。特に、L字型の部屋や、家具などで風がうまく循環しないエリアがある場合は、サーキュレーターで部屋の空気を動かしてあげるのがおすすめです。 また、加湿器を併用してもよいでしょう。同じ室温20℃でも、湿度が20%の場合と40%の場合では体感温度は大きく変わってきます。湿度を上げることで、温度を上げるよりも省エネで暖まることができるのです。乾燥しなくなる点でも快適さが上がるため、暖房と同時に加湿器を利用して部屋の湿度を上げるようにしましょう。 近年は加湿機能を搭載するエアコンも登場しているので、買い替える際にそういったモデルを選ぶのもおすすめ。ただし寒い時期は、エアコンが搭載する「無給水加湿機能」はパワーが発揮できないこともあります。しっかりと加湿したいなら、エアコンとは別に加湿器を使うのがおすすめです。 この記事の筆者:コヤマ タカヒロ 1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
コヤマ タカヒロ