5000塾に取材した専門家が明かす「塾選び」最大の決め手とは…過熱する中学受験で知っておきたい“ほんとうの対策”
近年、中学受験が過熱している。度を越した過熱ぶりと言ってもよいくらいだろう。首都圏に限れば、小学生の受験率は2割に迫る勢いで、地域によっては「小学校のクラスの半分が受験生」というところもあるという。どんな対策を講じればいいのか。「ほんとうの受験対策」を識者に訊いた。 【写真】子どもにとっては重大な人生の決断…何を基準に中学校を選ぶべきなのか
かつては東京都内であっても中学受験をする児童は「学年で数えるほど」という地域が多かったが、いまでは様相が一変している。クラスの半数が受験組で、試験直前の1月になると体調管理のためにその多くが学校に登校しなくなる、というのが当たり前の状況となっている。 「中学受験の市場は過熱状態にあると言っていいでしょう。受験者数で見ると、2024年の入試では前年比で微減したものの、それまでは増加の一途を辿っていて、2023年にピークを迎えました。受験率で見ると、2024年は過去最高の18.12%。来年も同じくらいの水準だと予想されています」 と語るのは、教育ジャーナリストで学習塾業界誌「ルートマップマガジン」編集長の西田浩史氏。 「中学受験人気の要因は色々ありますが、“中学受験を経験して大学を卒業した世代が親になった”というのが、一番の要因だと思っています。自分たちが経験しているからこそ、学校選びにも塾選びにもシビアになり、それが市場全体の過熱に繋がっている。今の親御さんは、皆さん受験について本当に詳しいですよ」 『中学受験をして本当によかったのか?』(実務教育出版)の著者で教育ライターの小山美香氏は、 「中学受験が過熱したのは、コロナ禍が大きかったと思います。安倍晋三首相(当時)の要請により、一斉休校が行われ、数か月休校になった地域もありました。その時に私立学校がすばやくオンライン授業に移行した。生徒にタブレットを持たせるなど、ICTを取り入れている学校が多かったことから、公立に比べ、その動きが迅速でした。以降、私立中学を受けようとする家庭が増えた、ということは言えると思います」