【ランキング】「大学生協で売れている本」は? 早稲田と同志社、ヒットの傾向は?
若者の本離れが進んでいるといわれますが、いまどきの大学生はどのような本を読んでいるのでしょうか。早稲田大学、同志社大学の「大学生協書籍部売り上げランキングベスト10」から読み解きます。大学生協の書籍担当者に、高校生向けにおすすめの本も聞いてみました。 【写真】「学食ランキング」1位の大学はどこ? 焼きたてナンから鉄鍋料理まで…「思いやり」値段で
キャンパス内に施設を置く大学生協では、食堂や購買、書籍販売などのサービスを行っています。全国大学生活協同組合連合会のホームページでは、全国10の大学生協書籍部で売れている本のベストテンを月に1度、紹介しています。早稲田大学と同志社大学の2024年1月と2月のランキングから、各大学生協の書籍担当者に売れ筋の本や傾向について、分析してもらいました。 まずは早稲田大学からです。1月のランキングから見ていきましょう。 早稲田大学生活協同組合ブックセンターの橋本歩さんは、「書店でじっくりと本を選ぶ学生はコロナ禍前に比べて減っているかもしれませんが、最近はX(旧Twitter)などSNSで話題になった本を買いにくる学生が増えています」と話します。 1月のランキング5位『構造と力』、6位の『言語の本質』がこれに該当します。『構造と力』は1983年に批評家の浅田彰さん(当時26歳)が書いた哲学書です。難解な内容ですが、当時は空前のベストセラーとなりました。この本が2023年12月に40年の時を経て文庫化されたことが話題になりました。 「本の解説を書いたのが、大学生にもよく知られている哲学者の千葉雅也さんです。千葉さんがXで告知をしたら、その日のうちに学生から入荷について複数の問い合わせがありました」 『言語の本質』は、本の帯に「東大・京大生協で新書部門第1位」と書かれているように、早稲田大学以外の多くの大学生協でも売れています。言語の誕生と進化の謎について、認知科学者と言語学者がひもといていく内容の新書で、23年5月に発売されました。橋本さんによると、最近、言語学の書籍がよく売れているそうです。 「若い人の間で言語学が注目されています。きっかけの一つが、YouTube番組『ゆる言語学ラジオ』といわれています。『言語の本質』もこのラジオで紹介されてから、売れ始めたようです」