米国の利上げ観測に急展開? FOMC議事要旨、ハト派連銀総裁が驚きの発言
「10年金利」は跳ね上がるのか?
こうしたFRBの情報発信を受けて、市場参加者の利上げ織り込み度合いは一段と上昇しています。将来の政策金利見通しを反映するFF金利先物の水準から逆算すると、市場参加者は2022年3月の利上げ開始を3割ほどの確率で織り込み、2022年6月の利上げを完全に織り込んだ状態にあります。そして、2022年12月までに約3回の利上げがあることを想定しているようです。換言すれば債券市場参加者は3月の利上げ開始を視野に入れつつ、6、9、12月の利上げを想定していることになります。 では、株式市場などで特に注目されている10年金利が跳ね上がるかといえば、それは別問題です。FRBの情報発信に基づくと、政策金利の「天井」は現在2.5%とされていますが、その天井が変わらない以上、長期金利の上昇圧力は限られると考えられます。その意味において、利上げ開始時期はさほど重要ではないのかもしれません。一般的に利上げ観測の高まりは、長期金利の上昇を通じて株価下落につながると考えられていますが、実際はそれほど単純でないようようです。
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