松山英樹の「ZXiドライバー」選び 本命は「LS」4機種の評価は?/駐在レップの米ツアー東奔西走Vol.7
■「MAX」 そして「MAX」。一番ヘッドの後ろ側が長めで、大きく見え、やさしさがあります。実は顔としてはやさしさのあるMAXが大本命。松山プロは昔からその手の「つかまり顔」を好む傾向があります。「MAX」をもうちょっと試してもらいたかったのですが、あまり試す時間が無くて…。実際、後ろ側のウエートを減らして、あれやこれやをやったらすごく可能性があると思うんです。それも新シーズンが始まったら試してもらう予定です。本当は、モデルとして「MAX LS」みたいのがあったらいいのになって、ボクとしては思っています(笑)。 ■「TR」最後にヘッド体積が唯一450CCの「TR」に関して(他は460CC)。もともと小ぶりヘッド「ZR-30」を使っていたのはご存じの方もいると思います。ですから「アリかな」となりますけど、松山プロ、意外とこの小ぶりには手を出しません。それも普段PGAツアーで戦っているのを見ていると、小さなヘッドに行かないというのはすごくよく分かります。なぜかというと、「コースのシビアさがTRを握らせないから」。モンスタークラスのコースが毎週のようにあり、「振りちぎってようやくハザードを超える」とか、ぎりぎりの戦いを毎度しいられます。そうなるとなかなか「TR」にはならないですよね。思いっきり振る必要に迫られたときに、どこかで“フォーギブネス”(寛容性)が欲しくなるんだと思います。実際にフィールド内では、マキロイもシェフラーも大きなヘッドを使っていますし、ここで戦っている選手はある程度の寛容性をヘッドに求める傾向にあります。
今後、本格的に新しいドライバーを試せるのは、おそらく来年ハワイの2戦(1月2日―5日/ザ・セントリー、9日―12日/ソニーオープンinハワイ)が終わって、アメリカ本土に戻ってからだと思っています(ハワイはツアーバンもないため)。それに対して私も新たな策をさらに考えていかねばと思っています。 もちろん新ドライバーへの早い移行を願っていますが、現状使っている前作「ZX5 MkII LS 」を松山プロが気に入ってくれていることは、スリクソンとしては財産だととらえています。他社ドライバーを使っていた時期もありましたし、その中で「安心できるドライバーがある」というのは大きい。実際、ダンロップフェニックスでは4日間を通して、ずっとドライビングディスタンスは1位でした。飛距離性能としていいヘッドのドライバーがあるということは、松山プロとスリクソンの歴史から見ても大きなことです。(取材・構成/服部謙二郎)