松山英樹の「ZXiドライバー」選び 本命は「LS」4機種の評価は?/駐在レップの米ツアー東奔西走Vol.7
プロゴルフツアーの現場で働くメーカーの用具担当者(通称:ツアーレップ)をご存じだろうか? 住友ゴム工業(ダンロップ)の宮野敏一(みやの・としかず)氏は松山英樹や畑岡奈紗、ブルックス・ケプカら契約選手をサポートするべく、2020年より駐在先の米国で試合会場に足を運んでは、クラブの調整をする。米国を奔走するゴルフギアのプロが現地からとっておきの情報をお届けする。 【イラスト】ぺナルティエリアでうっかりソール。あれ?いいんだっけ ◇◇◇
スリクソンの新ドライバー「ZXi」シリーズの販売が始まりましたが、契約する選手たちには夏ごろからシーディング(ツアープロへのテスト)を始めていました。松山プロももちろんテストを行い、24年シーズンPGAツアーの最終戦「ツアー選手権」で「ZXi LS」を使用しました。今は新シーズン開幕に向けて、新しいヘッドをさらにテストしている段階です。今回は松山英樹プロのZXiドライバー4機種に関してのインプレッションを中心にお話しできればと思います
ファーストインプレッションは上々
新ドライバーに関しては、プロトタイプ状態で春先から打ってもらっていました。実際の製品の状態で打ったのは、全英オープン前のオープンウィークが最初。本人のファーストインプレッションは良く、「弾く感じがする。飛んでそう」と気に入っているようでした。メジャーやオリンピックを控え、さらに年間王者をかけたプレーオフシリーズの前、新しいヘッドに替えるのには難しいタイミングでしたが、試打のリアクションを見て「これはスイッチもあるのでは」と期待を抱いたのを覚えています。 プレーオフシリーズが始まり、優勝した「フェデックスセントジュード選手権」でも、打撃レンジではテストを繰り返しました。そして最終戦「ツアー選手権」で、「ZXi LS」を投入したのはすでに報道されているのでご存じかと思います。「試合で使ってみないとリアルな性能が分からない」という選手は多いですが、松山プロもその一人。試合の緊張感でどのようなパフォーマンスを発揮するのか?松山プロは年間王者がかかった大一番の試合で“試した”わけです。 もちろんツアーレップとしても試合で使ってもらうために、最大限の提案はしてきましたから、やはり一定の評価をいただいたということはうれしかったです。大会期間中は、いつも以上にティショットの成否に気を揉んでいました。