子どもの学校選び「そこで誰と知り合うか」が最も重要!? AI時代に知っておきたい子育てのポイント
『AIに潰されない 「頭のいい子」の育て方』#2
新型コロナの流行により、リモートワークが進み、人と直接会うことなく成立する仕事が増えており、「会う」ことの価値が変化している。進学塾VAMOSを経営する富永雄輔氏は、子どもの学校選びにも影響が及んでいるというが、一体どういうことのなのか。 【画像】首都圏の一部の親たちの間で重要視されていること 『AIに潰されない 「頭のいい子」の育て方』(幻冬舎新書)より、一部抜粋・再構成してお届けする。
「学校選びのポイント」が明らかに変わってきた
人と会う機会が減る「クローズドの時代」には、その分、「たまに会うことの価値」が大きくなります。 たまにしか会わないのだから、つまらないものにしたくない。確実に実のある時間を過ごしたいし、それができる相手と会いたいと思います。 こうした欲求に応えるのが、「コミュニティ」です。とくに、似たような価値観を持ち、似たような環境に置かれた人同士の「閉じられたコミュニティ」が、これから大きな意味を持ってきます。 塾の経営をしていると、今首都圏でホットなのは中学受験です。が、今後、一部の親たちの間で、小学校受験がより重要視されるようになるでしょう。 たとえば、慶應の幼稚舎(小学校にあたります)受験がその最たるものです。 そこを「お受験」させる親の期待は、子どもが「慶應大学卒業」という学歴を持つことだけではありません。慶應幼稚舎という閉じられた世界で構築されるコミュニティの一員になること。つまり、将来の人脈を得ることを求めているのだと思います。 慶應の幼稚舎に限らず、学習院、青山学院、白百合……など閉じられたコミュニティを持つ小学校に子どもを通わせるため、親自身がその校風を研究し、必死で面接試験に臨みます。それはなぜでしょうか。 「小学校から通えばお金もかかるし、大学から進学しても結果は同じじゃないか」と思うでしょうが、違うのです。 もちろん、大学から進学しても、いい学友はたくさんできるでしょう。しかし、小学校からずっと育まれている関係は、社会人になってからも強い繫がりを持ち、他人には入り込めない世界をつくり出します。 そして、多くの大事な場面で、彼らはその人脈を生かし、たくさんの成果物を手にするのです。さらには、その繫がりは経済的なことに留まらず、趣味など人生における楽しみの共有という大きな財産をもたらします。 学校の授業自体は、オンライン化が進めば進むほど格差がなくなっていきます。そのため、理解が早い親たちは、「どんな授業を受けられるか」というよりは、「そこで誰と知り合うか」を学校選びのポイントにしつつあるのです。
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