ウナギの旬はいつ? 天然と養殖の違いや、鹿児島県がウナギ養殖生産量日本一となった理由とは
うなぎ愛好家で『読めばもっとおいしくなる うなぎ大全』(講談社)の著者・高城久さんが、上柳昌彦アナウンサーがパーソナリティを務める、ラジオ番組「上柳昌彦 あさぼらけ」内コーナー『食は生きる力 今朝も元気にいただきます』(ニッポン放送 毎週月・金曜 朝5時25分頃)にゲスト出演。天然ウナギと養殖ウナギの旬の違いや、鹿児島県が養殖生産量日本一の理由、養鰻場の最新技術などについて紹介した。
高城さんの本業は柔道整復師だが、うなぎ好きが高じて2004年からうなぎ屋さん応援サイト「うなぎ大好きドットコム」を開設。さらにYou Tube『うなぎ専門チャンネル』はチャンネル登録者数1.77万人を誇り、テレビ番組などの各メディアでもおいしくウナギを食べるためのさまざまな情報を発信している。
天然ウナギはたったの1%
上柳:「ウナギは秋から冬にかけて脂がのっているからおいしい」という話も聞きますが、でもこれは天然ウナギのことなのでしょうか? 高城:そうですね、他の魚も産卵前がおいしいように、天然のウナギも産卵前の秋から冬がやっぱりおいしいです。ですが、養殖ウナギの場合は「土用の丑の日」を目指し、養鰻家(ようまんか)の方が柔らかくておいしいウナギを育てていらっしゃいます。 上柳:なるほど、日本人がウナギを大量に消費する日を目がけて育てているのですね。天然のウナギはほとんど見かけませんが、あまり流通していないのでしょうか? 高城:はい、天然のウナギは1%ぐらいしかないと言われています。 上柳:たったの1%なんですね。つまり99%が養殖ウナギということですが、中でも鹿児島産の養殖ウナギが多いらしいですね。
鹿児島県がウナギ養殖生産量日本一の理由
高城:生産量日本一は鹿児島ですからね。国内で流通する養殖ウナギの40%が鹿児島県産です。 上柳:鹿児島県のほかにも、愛知、宮崎、浜名湖がある静岡などが有名ですが、養殖に適した環境なのですか? 高城:そうですね、温暖な気候で、水が大事です。鹿児島県の養鰻家の方に取材したことがあるのですが、「ウナギ作りは水作りです」という話をしていました。皆さんご存じかと思いますが、鹿児島は霧島山脈があっておいしい水が大量に湧き出すので、それを使って養殖されているそうです。 上柳:鹿児島の養殖では、とても画期的な技術を開発されたらしいですね。 高城:はい、ウナギは個体差があって、食欲のいいウナギ、ちょっとしかエサを食べないウナギがいるのです。ですから、だいたい1か月に1回ぐらい「池替え」という、成長に合わせて池を変える作業をするのですが、以前はウナギを網ですくって選別していたそうです。 上柳:ウナギも大量にいるでしょうから、大変な重労働ですね。 高城:はい。ですが、鹿児島の楠田さんという方が、ウナギを吸い上げるポンプを作り、それを他の養鰻場にも無償で教えてあげたんです。鹿児島で養鰻が広がったのは、これも1つの要因だと言われています。 上柳:池から池に移すとき、ウナギが傷つかないようにポンプで吸い上げ、ポンプの中をウナギがニョロニョロと移動して、次の池の方に行くわけですね。