「アレック・ソス 部屋についての部屋」が東京都写真美術館で10月に開催。初期から最新作まで、30年の歩みを編みなおす
「部屋」をテーマにこれまでの作品を編み直す
「アレック・ソス 部屋についての部屋」が東京都写真美術館で開催される。会期は10月10日~1月19日。アレック・ソス(1969~)は、国際的な写真家集団、マグナム・フォトの正会員であり、生まれ育ったアメリカ中西部などを題材とした作品で、世界的に高い評価を受けてきた。 本展では、初期を代表するシリーズ「Sleeping by the Mississippi」から、今秋刊行予定の作品集『Advice for Young Artist』からの作品まで、約60点の作品を6つのセクションで紹介。30年に及ぶ歩みを振り返るだけでなく、「部屋」をテーマにこれまでの作品を編み直す、東京都写真美術館独自の試みだ。 アメリカ国内を車で旅し、風景や出会った人々を大判カメラで撮影してきたソス。出品作品シリーズのひとつ「I Know How Furiously Your Heart is Beating」は、ロードトリップのスタイルではなく、舞踏家・振付家のアンナ・ハルプリン(1920~2021)や、小説家のハニヤ・ヤナギハラ(1974~)など世界各地の様々な人々を訪ね、その人が日々を過ごす部屋の中で、ポートレートや個人的な持ち物を撮影している。部屋とそこに暮らす人をテーマとするこのシリーズが、本展を生み出すきっかけとなった。 「ポートレートや風景、静物などを定期的に撮影しているが、もっとも親しみを感じるのは室内の写真だ」と語るソス。開幕に合わせて、10月12日にはソスが登壇するアーティストトークも開催される。本展とこれまでの活動について、作家本人の言葉を聞くことのできる貴重な機会だ。 作品に登場する様々な部屋や、その空間にたたずむ人々に意識を向けることで、何が見えてくるのか。展覧会と写真集、ともに多くの支持を得る作家の表現の魅力を探る。
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