【大相撲】元貴景勝・湊川親方が掲げた〝根性論〟 親方衆が反応「今の時代にいらないと言われるが…」
【土俵の深層(中)】9月の大相撲秋場所で大関貴景勝が28歳で引退し、年寄「湊川」を襲名した。現役中は4度の優勝を果たす一方で、近年は首などのケガに苦しんだ。引退会見では「燃え尽きました。横綱を目指す体力と気力がなくなった」と決断の理由を説明。「武士道精神を持った、僕が昭和の先輩から教えていただいた根性と気合を持った力士を育ててみたい」と指導者としての抱負を語った。 二所ノ関一門の大先輩にあたる芝田山親方(元横綱大乃国)は「身長175センチあるかないか。あの体格で大関まで上り詰めた。押し相撲一本で大関に上がるのは大変なこと。優勝も4回。素晴らしい大関だった」と力士として残した功績をたたえた上で、湊川親方が指導方針に掲げた「根性と気合」には次のように反応した。 「今の時代、スポーツの世界に根性論なんていらないと言われる。今は新しい部屋ができて科学的なトレーニングや、稽古方法もいろんな形に変えていっている。それはそれでいいが、やはりここ一番で爆発的な力を出すためには、ある程度は根性論も必要だと私は思う。かごの中の鳥にエサを与えて、自然に放したときに生きていけるのか。厳しく育てることも大事ではないか。それが今の若い人たちに通じるか、通じないかは私たち指導者として歯がゆいところ」 多くの親方衆が時代の変化に合わせて新たな指導方法を模索する一方で、大相撲の根源が格闘技であることはこの先も変わらない。あえて「昭和」の色を打ち出した湊川親方の指導者としての手腕に注目だ。
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