オリックス宮内「人間の上に立つリーダーの条件は2つ。まずは、チャーミングでないといかん」【和田秀樹の長生き対談③】
豊かな人生とは
和田 何をもって「心豊か」と言うのか? 宮内さんは、ご趣味とか「これをやってる時は心地ええな」ということはありますか。 宮内 強いて言うなら二つです。一つは野球見ること。でもこれ、ほとんど仕事です(笑)。もう一つは、クラシック音楽が好きでしてね。 和田 そういうものがあると、心に余裕ができますよね。球団(オリックス)を買ったのは、野球好きが高じて? 宮内 いや、それは違います。たまたまなんですよ。阪急さんが球団を手放されると聞いたので、飛びついたんです。当時は無名だったオリックスを、どうしたら世間に知ってもらえるか、と考えていた矢先のことでした。「野球チームを買ったら一発で知ってもらえるだろう」と思ったんです。もちろん私は、プロ野球をずっと好きで見てましたのでね。それもありますが。 和田 いざ持ってみると、応援したくなったでしょ? 宮内 そうですね(笑)。 和田 楽しいでしょうね。 宮内 いやいや、苦労しました。 和田 何回か黄金時代を作られて、すごいですよね。 宮内 黄金と底辺。這いずり回った時期も長かったです(笑)。 和田 経営者の立場とはいえ、野球を見てる時間は、やはり楽しいのですか? 宮内 はい。飽きもせず、じっと見てますね。球場にも行くしテレビでも。いつも家内に笑われるんですよ。「よくも黙って、何時間も見てられるわね」って。まあ、好きなんでしょうね。 ※4回目に続く 宮内義彦/Yoshihiko Miyauchi オリックス シニア・チェアマン。1935年兵庫県生まれ。1960年ワシントン大学経営学部大学院でMBA取得後、日綿実業(現・双日)を経て、1964年オリエント・リース(現・オリックス)入社。社長・グループCEO、会長・グループCEOを経て現職に。著書は『諦めないオーナー』など多数。 和田秀樹/Hideki Wada 精神科医。1960年大阪市生まれ。東京大学医学部卒業。現在、立命館大学生命科学部特任教授、和田秀樹こころと体のクリニック院長。老年医学の現場に携わるとともに、大学受験のオーソリティとしても知られる。『80歳の壁』『70歳の正解』など著書多数。
TEXT=山城稔