「いらんわ、帰れ」 岡山操山高校・男子生徒の自殺から12年「見舞金」支給決定も…遺族の戦いは終わらず
●遺族の戦いはまだ終わらない
そもそも不適切指導が背景にある生徒の自殺で、調査委員会が設置されるのは難しい。JSCの災害共済給付の支給申請も同様だ。というのも学校側に「加害者的な側面」が出てくるためだ。 遺族側は、県知事に対して、第三者による調査委員会の設置を要望するなど、交渉を重ねてきた。その結果、遺族側が「なんとか我慢できる」という調査委員会の設置が決まった経緯がある。 「JSCの申請も、調査委員会の設置もうまくいっているように見えるかもしれませんが、すんなりできてきたわけではありません。県教委はトータルとしては保身的かつ消極的で、論点ずらしばかりでした。 それと比べると、学校はJSCの支給申請には協力的でした。一方で、学校側が作成する書類を提出前と後にすべて確認していました。とても我慢のいる面倒な作業の繰り返しでした」(父親) 2024年10月、再発防止策の一環として、「教職員による体罰・不適切な指導・ハラスメント防止に係る教育動画」を作成することが県議会で決まり、予算もついた。 男子生徒の母親は12年前から悲願としていたが、ガンを患い、完成前に亡くなってしまった。現在も、県教委の再発防止策案に対して協議中だ。遺族の戦いはまだ終わらない。