「乗り越えるのは結局子ども自身」3児の父・ブラマヨ小杉がいじめられた経験を子どもに話す理由 #今つらいあなたへ
3児の父としての思い「乗り越えるのは結局子ども自身」
――そうした経験がいまの小杉さんを形作っているんですね。小杉さんは中学1年生の男の子、小学3年生の女の子、3歳の男の子、3児のパパです。お子さんのいじめ問題を心配されることはありますか。 小杉竜一: 学校で起きることを全部把握することは無理ですし、把握したところで乗り越えるのは、僕もそうでしたけど、結局自分です。何かあったときに親ができることって実はない。だから、いじめられたことやうだつが上がらなかった時代、こういうことがあってお笑い目指してやろうと思ったんだという話を、昔から子どもにはしていています。面白がって聞いてくれますよ。ただ、僕のやってきたことだけが正解じゃないし、それは子どもたちに当てはまらないかもしれない。少しでも何か感じてくれたり、自分のピンチや過渡期に生かしてくれないかなと思って、自分の考えとか生きてきたことを話すようにしていますね。 長男はスイミングやピアノを習っていて、その送り迎えのときにいろいろ話します。僕が生きてきた道についても、難しくて意味がわからないことがあるかもしれないけど、無理に子どもに合わせることはせず、あったことを普通にしゃべっています。一番下の子はまだまだですけど、娘に対してもそんな感じですね。 ――普段からお子さんと話す機会が多いのですね。「こんな言葉は言わないようにしよう」など、気をつけていることはありますか。 小杉竜一: そうですね、あんまり“答え”を言わないようにしていることかな。片付けなさいとかは別ですけど、ピアノコンクールを前にした長男に「練習しいや」と言いたいところですが、そう言わず我慢。M-1出場の話を出して「本番は緊張するよなあ」とか「練習で泣いたら本番で笑える、とコンビで話してよく練習してた」と。そんな自分の体験談を聞いてくれたら、少しはわかってもらえるかなと期待する部分はあります。 ――小杉さんは仕事でお忙しいと思いますけど、夫婦でどのように育児を分担していますか。 小杉竜一: 家事や子育ては妻の負担が大きいので、任せきりにならないよう、僕がオムレツなどの簡単な朝ご飯を作って子どもたちに食べさせています。夜いるときはお風呂に入れるのも僕の役目。父が育児に参加する姿は、特に息子にちゃんと見せないといけないと思います。子どもたちを怒るのは普段子どもたちと一緒にいる妻が多いんですが、僕が一緒に怒ろうとしたら、「あなたまで怒ると子どもの逃げ場がなくなるからフォローしてあげて」と言われました。すごいなあと妻には頭が下がります。 ――どんな思いでお子さんとの時間を過ごしていますか? 小杉竜一: 僕は仕事で子どもたちに接する時間も少ないし、そのうちだんだん子どもは親から離れていく。自分が父親の記憶がほとんどないから、自分がしてほしかったことをしてあげているという思いですね。父親はしゃべりにくい雰囲気だったので、僕はしゃべりやすい家庭を作りたいし、楽しく一緒に過ごしたいという思いが強いです。 子育てにまつわることはいろいろありますし、僕自身も子ども時代にいろいろありましたけど、家族と一緒にいると本当にしあわせ。子どもたちが兄弟げんかしてもすぐに仲良くなったり、いたわっているシーンを見ると、「みんな成長してんねんな」と思います。子どもたちの成長の瞬間を見るのは、やっぱりいいですね(笑)。 === 小杉竜一 お笑い芸人。1973年生まれ、京都府出身。1994年、NSC大阪校に13期生として入学。1997年、同期の吉田敬とお笑いコンビ「ブラックマヨネーズ」を結成。テレビ朝日系『M-1グランプリ2005』でグランプリを獲得するなど、多くの賞を受賞。現在もバラエティ番組等で活躍中。2007年以降ライフワークとしている「小杉ライブ」は今年4月14日で200回公演を迎え、当日は記念イベント「小杉ライブ200回記念公演~月1開催で17年かかってまんねん‼︎~」が開催された。 「#今つらいあなたへ」は、Yahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。つらい気持ちを抱えた人の「生きるための支援」につながるコンテンツを発信しています。