「プラモデルはやっぱり面白い」スペシャル 『007/ゴールドフィンガー』公開60周年記念 映画に出演した中で間違いなく世界で一番有名なクルマ物語
世界一有名なナンバー「BMT 216A」
映画に出演した中で、世界で一番有名な車、それは文句なく007のボンドカーであろう。中でもボンドカーと言えばアストンマーティンDB5のことを指す、というシンパの方は圧倒的で、残念ながら私にとっては馴染みのロータス・エスプリも、ギミック満載で登場したBMW750iLも、DB5の前には霞んでしまう存在感であるといえる。
その理由は言うまでもなく、3作目の「ゴールドフィンガー」においてボンドカーとしてこの世に登場し、ボンドカーという地位を確立したのがアストンマーティンDB5だからで、いくらその飄々としたキャラクターが魅力のロジャー・ムーアも、女性には圧倒的に人気のダニエル・クレイグも、ジェームス・ボンドという存在や007を世の中に確立したショーン・コネリーというパイセンの前に出てしまえば、あなたこそがホンモノです、と頭を下げざるを得ない。初代の価値と魅力というのはそういうものなのである。 この写真だと露出が悪いからかボンネットのエンブレムが消えてしまっているが、この後のスイスショットではちゃんとついている。また逆に、助手席のAピラー前に映っている丸いステッカーのようなものは、この後のシーンにはついていない。
さて、アストンマーティンDB5は「ゴールドフィンガー」において、Qの開発室において登場して以降、「サンダーボール作戦」、「ゴールデンアイ」、「トゥモローネヴァーダイ」、「カジノロワイヤル」、「スカイフォール」、「スペクター」、そして「ノータイムトゥダイ」と8作品に登場し、さらにはハルニーダムの「キャノンボール2」にはロジャー・ムーア演じる「スパイを気取った一般人」の自動車としてコメディーにも使われるなど、とにかく人気者であるし、銀色に塗られたあの姿と活躍ぶりを見たことがない自動車エンスージャストは一人もいないと断言してもよい(実は「ワールドイスナットイナフ」にも、キング卿の葬儀に参列するシーンにDB5は出演しているのだが、本編ではカットされDVDの特典映像などでしか観られないため、あえてカウントしていない)。