拓殖大・不破聖衣来「自分には走る資格がないんじゃないか」 ケガに泣いた4年間 最後の全日本へ
全日本大学女子駅伝が27日、午後0時10分に号砲。拓殖大学4年生の不破聖衣来選手は、最後の全日本を駆け抜けます。 【動画】不破聖衣来「辛いこともあった」と心境吐露 大会前日にインタビュー
■1年生で出場した全日本で“衝撃デビュー”
3年前、1年生ながらエースが集う最長9.2キロの5区を走り、6人をごぼう抜きする衝撃デビュー。28分00秒の区間新記録を打ち立てます。 同年12月には、初挑戦の10000メートルでも、学生記録でもある30分45秒21の驚異的な記録をマーク。2年生のときには全日本5区で区間賞に輝きました。 そんな素顔をのぞくと、身の回りはディズニーだらけ。隠れミッキーが勝負ピアスにもあります。 しかし、笑顔の裏では、試練の連続でした。
■強さの秘密は・・・「本当に呼吸してるのかな?」と指揮官も驚き
高校卒業時、実業団ではなく大学進学を選択。その理由は五十嵐利治監督に惹かれたからでした。 2000年のシドニー五輪マラソンで金メダリスト高橋尚子さんを育てた小出義雄氏の指導術を学んだ五十嵐監督。「(選手を)その気にさせる天才だと思います」と語ります。 不破選手の強さのワケは。それは「本当に呼吸してるのかな?」と監督も驚く心拍数。1分間にわずか40回とたぐいまれな心肺能力が多くの酸素を体中に運び、長距離ランナーとしての適性があるのです。 また「大きなストライド走法」も魅力の一つ。スピードに乗ったときの歩幅は自身の身長154センチより広いおよそ160センチで、しっかりとした体幹が、その驚異的な走りを可能にしています。 「ロサンゼルス五輪マラソン金メダル」を目標に掲げています。
■「自分には走る資格がないんじゃないか」 ケガに苦しんだ4年間
しかし、大学入学当初から貧血に悩まされ、さらに並外れた走力に身体が耐え切れず故障にも苦しむ4年間。去年は全ての大会を欠場しました。 「走れるようになったと思うとケガ。自分には走る資格がないんじゃないか」 そんな思いを胸に抱えていました。 今年4月には、1年7か月ぶりとなるレース。本調子にはほど遠い記録でしたが、心の炎は消えませんでした。 「監督に対して感謝の気持ちがあるので、最後は走りで結果として恩返ししたい」 その思いは進むこの道を、信じているからです。