拓殖大・不破聖衣来「自分には走る資格がないんじゃないか」 ケガに泣いた4年間 最後の全日本へ
五十嵐監督がある日の取材で見せてくれたのが、不破さんの中学・高校時代の練習ノート。 「選手に合った練習を考えるのが指導者の頑張りどころだと(小出監督に)教わった」と陸上を始めてからのデータや過去の練習を細かく研究して今に生かしています。 加えて、食事も管理。時には自ら台所に立ち、手料理を食べさせることもありました。 体のケアをしながら、心のケアも。いちご狩りに連れ出し、「おいしいものは食べていて幸せになります」と笑顔。 “功を焦らず、未来を目指す”それもまた小出イズム。一歩ずつ、二人は進みます。 「今やることが将来につながる」それが伝えられたのは小出監督の教え。不破選手は「少しでもいい状態でいてほしいという気持ちが伝わる行動をしてくださっている。自分の監督が五十嵐監督でよかった」と話しました。
■復活の時へ 仲間も“気持ちが入る”
8月、全日本に向けた夏合宿。大学4年間の集大成が近づいてきました。 ケガの心配は消えた。あとはやるだけ。ランナーとして、エースとして。 “行けるよ”、“最後”と後輩への声かけは責任の証。絶対的エースが戻り、拓殖大学は盛り上がっています。 3年生の山田愛選手は、「(遅れると)声かけてくれるんで嬉しい」と。4年間一緒に過ごしてきたキャプテンの門脇奈穂選手は「一緒に頑張れるのは嬉しい。“気持ちが入る”」と笑顔で復帰を喜ぶ姿がありました。 完全復活を目指す全日本の舞台は、衝撃デビューを飾ったときと同じくエース区間5区にエントリー。 「チームで優勝をずっと言ってきた。いまの自分の100%の走りをして、皆で一丸となって目指したい」