なぜRIZINで8秒KO勝利のスダリオ剛は”狂気の乱闘劇”を誘発してしまったのか?「殺す覚悟も殺される覚悟もあった」
まさに異常事態。宮本陣営のセコンドが乱入して止めに入るとスダリオ側からは、師匠のエンセン井上らも飛び込んできて“乱闘”に発展。リング上で両陣営が入り乱れ、場内は、一時、騒然となった。 ただ、この頃になると、スダリオは冷静さを取り戻していたようで「僕が(相手セコンドに)押されてエンセンさんが怒っちゃった。エンセンさんを止める方にしか頭がなくて」という。 狂気ぶりを見せてしまい、ネット上では角界から引退する原因となった二度の暴行事件と重ねる批判の声もあった。しかし、バックステージでは、左目の周りが紫色に変色するほど腫れドクターチェックを受けていた宮本のもとを訪ねて謝罪した。 「興奮してしまってすみませんでした」 すると、宮本も「大丈夫だよ。僕もカっとなってごめんね」と、快く謝罪を受け入れて和解。2人で記念撮影の写真に収まったという。 「器の大きい人です」とスダリオ。 宮本も完敗を認めた。 「強いですね。対戦が終わって挨拶に来てくれてハートの気持ちいい選手だと思った。真っ向勝負。男同士の魂と魂のぶつかりあいができた。失神はしていないが、止めるのは遅かったとは思わない。勢いがついてしまったのも仕方がない」 互いにスポーツマンシップを守った。遺恨はない。 そしてスダリオの持つポテンシャルを絶賛した。 「彼はヘビー級の世界のトップを取るんじゃないか。100年に1人の逸材と言われている選手の伸び盛りの時期にやれたのはうれしい」 スダリオは、昨年9月のデビュー戦のディラン・ジェイムス、大晦日の“超人”ミノワマンと、3戦続けてプロレスラーを倒した。エンセン井上の指導を受けながら。わずか半年ほどで急成長を遂げている。自らの成長度を「無駄に力まなくなった。(パンチを)打つ瞬間にどこが空いているか見えるようになった。ゴングが鳴ると緊張していたが、今回は冷静でいられた。そこが成長した」と語るが、驚くべきは、リングに上がるたびに、相撲取りからMMAファイターのそれに変化している肉体の改造度である。 デビュー時に約50キロの減量に成功。その後もシェイプアップされ続けているように見えるが、実は、RIZINの3試合で体重は112キロ、114キロ、115キロと微妙に増えている。 「痩せたと言われますが筋肉量が増えて体脂肪率が下がっているんです」