部屋を探したい時にそばにいられたら。 女性の視点で価値を創造: CHINTAI が作り出す新しいコミュニケーションの形
群雄割拠の不動産市場で「Woman.CHINTAI」を立ち上げ、新たな価値創造に成功したCHINTAIのメディア&マーケティングチーム。キーパーソンは当時、新卒3年目の工藤佳奈氏だった。 部屋を探したい時にそばにいられたら。 女性の視点で価値を創造: CHINTAI が作り出す新しいコミュニケーションの形 企業の成長につながった施策や事業を切り口に、そこに秘めたマーケターの想いや思考を追っていくDIGIDAY[日本版]のインタビューシリーズ「look inside!─マーケターの思考をのぞく─」。 今回は、賃貸空室物件掲載メディアを運営するCHINTAIのメディア&マーケティンググループで、ファン獲得チームを統括する工藤氏に、「女性のひとり暮らし」にフォーカスして勝ち筋を見出した背景、業界内における「CHINTAI」の存在感の変化を聞いた。 ◆ ◆ ◆
女性の部屋探しの視点には「こだわり」があるはず
DIGIDAY編集部(以下、DD):2017年に「Woman.CHINTAI」を立ち上げられて、各不動産会社から「掲載依頼のご指名」も増えたとお聞きしています。まずは立ち上げの経緯を教えてください。 工藤佳奈(以下、工藤):当社には「CHINTAIネット」という、膨大なデータを検索できるお部屋探しサイトがあります。みなさんご覧になったことがあるかもしれませんが、物件をエリアやこだわり条件などで絞り込んでいくというものです。 データの母数が大きいので希望に合った物件がヒットしやすいというメリットがありますが、一方で「女性の部屋の探し方は、もっと別のところに視点があるのでは」という意見も出てきました。実際、女性は細かい条件に加え、「この街で、こんな風に住みたい」といった「感情」から探される方が少なくありません。 そのような文脈で部屋探しができるサイトを立ち上げたという経緯です。 たとえば「理想のタグから探す」という検索では「#表参道駅30分以内」とか「#お洒落なパン屋さん」などのタグがあり、そこをクリックすると「あなたにぴったりの街」が表示され、「この街でお部屋を探す」という動線に繋がります。 当時まだ、ターゲットを絞ったサイトが当社になく、「ひとり暮らしをはじめる女性」というターゲットの年齢に近いということも重なり、入社3年目の私が担当することになりました。 工藤 佳奈/株式会社CHINTAI メディア&マーケティンググループ グループリーダー。「CHINTAIネット」の企画改善や、記事サイトの編集などに従事。2017年、ひとり暮らし女性向けの物件検索サイト「Woman.CHINTAI」を立ち上げた。サイト内改善、SEO、SNS運用などを担当。産休・育休を経て、2023年、メディア&マーケティンググループのファン獲得事業の責任者に就任。FEILERのハンカチを集めるのが趣味で、150枚程度持っている。旦那さまに「それは一生何を拭くのか」と聞かれるほど。ギフトにもしているため、「ハンカチを配る人」だと思われていそう。 DD:「タグから探す」から入ると、「中目黒」「広尾」「二子玉川」など人気の街と、その街のイメージにあった女性のイラストがでてきますよね。機械的に探す部屋探しと違い、かなりイメージしやすい、かつ検索したくなる作りになっているように感じます。 工藤:「Woman.CHINTAI」は特に探し方にこだわっています。「タグ検索」もそのひとつですが、診断形式で理想の街の部屋を探せる検索動線を作ったり、こだわり条件のなかにセキュリティ面や、水回りの細かい項目などを追加して、より女性のニーズに合った部屋探しができるように設計しました。 データーベースは「CHINTAIネット」と同じものなので、掲載されている物件は同じですが、探し方のアプローチを変えるだけで「この部屋に住みたい」という気持ちをより醸成できるようになったと思います。