部屋を探したい時にそばにいられたら。 女性の視点で価値を創造: CHINTAI が作り出す新しいコミュニケーションの形
どの検索サイトで部屋を探したか覚えている人は少ない
DD:昨年11月から、メディア&マーケティンググループのなかで、ファンづくり施策の統括をされているんですよね。 工藤:我々のような検索メディアは、基本的にお部屋を探す際に利用していただくもので、お部屋が決まったらそれ以上のつながりがなくなり、ユーザーと長く繋がることが難しい領域です。 そもそも、どのサイトで探したかを覚えている人も少ないというのが現状です。なので、これからお部屋探しをする人、あるいは今は引っ越しを考えていないけどいつかは探すという層までCHINTAIブランドを知っていただき、ファンになってもらうのが、我々のミッションになっています。 たとえば、ショート動画やYouTubeのコンテンツ投稿。お部屋の内見動画ではなく、チームメンバーが自宅で「ひとり暮らしをどう楽しんでいるか」という動画をSNSで公開したり、実際にワープショップを開いて、たとえばバスボム作りやアロマクラフト体験など、暮らしを楽しむコンテンツを提供しています。 ユーザーとリアルにお会いする機会は今までなかったので、CHINTAIを知っていただくのには非常によい機会だと捉えています。 DD:ファンなることと、部屋を探すことのマッチングはどう設計されているのでしょうか。 工藤:部屋を探すタイミングは人により異なるので、部屋を探したいと思った時にCHINTAIを思い出してもらい、そばにいられたらよいと思っています。その気持ちの醸成に寄与していくといったイメージです。 今はLINEで「CHINTAIエージェント」というサービスも提供しています。友だち登録をして待つだけで自分に合った物件情報がメッセージに届くというサービスです。物件を探すプラットフォームもSNSに軸足を移しつつあり、新しいユーザーとの繋がり方を進めています。 検索のずっと手前のコミュニケーションを重視しています。いつか来る行動につなげるための、ちょっとした気持ちを後押しするためにコンテンツを用意して、サービスを設計しているところです。 DD:マーケティングで大切にしている視点はどういったところにありますか。 工藤:管理職になり、メンバーに伝えていることは必ずユーザー目線に立つこと、そしてトライ&エラーを恐れないことです。私が「Woman.CHINTAI」を立ち上げたときは、小回りも効いていろんなことを試しやすかったこともあり、いろいろなことにチャレンジしました。 もちろん失敗もたくさんありますが、よかった施策は本体の巨大な「CHINTAIネット」にも転用できます。たとえばボタンの位置を変えたり検索で物件が出てくる順番など、小さなことですがユーザビリティが上がりました。ユーザー数が多い本体ではトライが難しくても、「Woman.CHINTAI」では先陣を切ってチャレンジできました。 新しい施策ならなおさら、試してみるしかありません。果敢にチャレンジするという部分を大切にしています。 インタビュー・文/島田ゆかり 企画・構成/坂本凪沙(DIGIDAY JAPAN) 撮影/三浦晃一
編集部