お風呂だけでなく、ゴミ出し時にも「ヒートショック」の危険性が!?冬場に多発するヒートショックの原因、起こしやすい人の特徴を医師が解説
ヒートショックが起きやすい人の特徴を教えてください
温度差の刺激による血管へのストレスが原因になるため、動脈硬化が強い方は要注意であると考えられます。具体的には 1。加齢(65歳以上) 2。喫煙歴のある方、または現在喫煙している方 3。糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の治療中の方 4。ご家族、ご親族に心臓や大動脈、脳血管障害などの血管病の罹患歴がある方 5。健康診断を受けていない方、または検診で指摘を受けて未受診、未治療の診断項目のある方 以上の項目がリスクとして挙げられます。 生活習慣病や喫煙による動脈硬化は、自覚症状が出現する頃には病気が非常に進行してからのことが多く、つい甘く考えがちになってしまうと思います。40歳を越えるあたりから、ご自身の体や健康状態と日頃からしっかりと向かい合う習慣をつけることが何よりも大事になってきます。
ヒートショックを回避するために気をつけるべきことを教えてください
まずはご自身にヒートショックのリスクがどれくらいあるかしっかり把握することが大事です。その上で基礎疾患、生活習慣病に対しての治療が必要かどうかも含めて、検診などで指摘を受けた点に関しては、しっかりと医療機関を受診しましょう。 喫煙は動脈硬化の最も大きなリスク因子です。家族歴は血縁の方はもちろんのこと、同じような食生活や行動をしている同居している配偶者の既往も参考になります。 日常の行動に関しては脱衣所に簡単な暖房を設置する。朝暖かい格好をしてから行動を行うなどの寒さ対策をしっかり行うようにしましょう。飲酒時には特に注意が必要です。深酒状態での入浴は控えるようにしましょう。
もし、自身あるいは家族などがヒートショックになってしまった場合、どのような対処が必要でしょうか
一時的な血圧低下であればまずは安静が第一になります。激しい頭痛、意識障害、胸背部痛、胸部圧迫感などは脳血管、心臓大動脈に、命をかかわる重傷疾患を発症している可能性があります。その場合は、直ちに救急車の要請を行なってください。 冬場はヒートショックをはじめとした血管にまつわる急性疾患の発症率が大幅に上昇します。日常的な予防から対処法まで、正しい知識を身につけましょう。 ■教えてくれたのは…佐賀俊文(公立学校共済組合関東中央病院 心臓血管外科部長/二子玉川女性のクリニック) 杏林大学医学部卒業。日本外科学会外科専門医、心臓血管外科専門医、脈管専門医・指導医、血管内治療認定医、下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医。心臓大動脈の治療から下肢静脈瘤などの末梢血管治療まで幅広くこなす。メスを握る手術とカテーテルによる治療の両刀を使いこなすハイブリッド外科医。 ※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。 ※記事内容でご紹介しているリンク先は、削除される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
サンキュ!編集部